アユタヤ旧市街の西側に位置する「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」は、タイのテレビドラマで使われたこともあり、非常に人気の高い仏教寺院遺跡です。ビルマの侵攻により寺院内にあった仏像は、ことごとく破壊され、一種異様な雰囲気を醸し出しています。
夕焼けに赤く染まる「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」は美しく、夜間もライトアップされており、チャオプラヤー川沿いにあるレストランから出る遊覧船の定番コースにもなっています。
今回は、非常に人気のある「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」をご紹介します。
筆者が訪れたときは、残念ながら曇りだったので、また機会をみて晴れた日に訪れてみますので、その際には写真を差し替えますので、今暫くお待ち下さい。
「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」とは?
アユタヤ王朝27代目の王であるプラーサートトーン王が、1630年に亡き母のために建立した仏教寺院で、中心にある高さ35mの大きな仏塔を中心に、4基の小さな仏塔(Prang)で四方向を囲み、さらに外側を8基の仏塔と回廊で繋げた作りになっています。
仏塔はクメール様式で作られており、当時は回廊には120体の仏像が安置されていたといわれており、アユタヤ王朝での宗教的儀式を行う王専用の寺院でもありました。
残念ながら、1767年のビルマ(現在のミャンマー)からの侵攻をうけ、アユタヤ旧市街の寺院同様に破壊されてしまいます。境内には多くの破壊された仏像が安置されており、当時の面影を偲ぶことができます。
1987年にタイの美術局ファインアート部門により、今の姿に復元されています。
「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」の見どころは?
1:破壊された仏像群
8基の仏塔を繋ぐ回廊には、1767年のビルマ(現在のミャンマー)からの侵攻により破壊された仏像が数多く残されており、当時の戦闘の激しさを感じることができます。
また仏像の頭を切り落とすことで辱めるという意味合いがあったといわれています。
2:高さ35mの仏塔
「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」の中心にある高さ35mの仏塔は、素焼きレンガと漆喰を組合わせたクメール様式で作られており、非常に美しいのが特徴です。
世界遺産であるアユタヤ歴史公園の一部となっており、残念ながら塔の上に登ることはできません。
筆者が初めて訪れた12年前は、気軽に登ることができましたが、見た目以上に急な階段とレンガがすり減って滑り易いことで、登り降りが大変だった記憶があります。
2006年07月に筆者が、ワット・チャイワッタナーラームの仏塔の階段上から撮影した風景写真がありましたので、公開しておきます。道路には露店も何もなく、今とは雰囲気が少し違います。
3:礼拝堂の仏像
チャオプラヤー川側にある礼拝堂跡には、2体の破壊された仏像が安置されています。仏像の基礎が3つありますので、アユタヤ王朝の時代には3体の仏像が安置されていたと思われますが残念ながら、今はその面影を見ることはできません。仏像は、日が昇る東側を向いており、ワット・チャイワッタナーラームが宗教的な場所だったことが分かります。
チャオプラヤー川沿いのレストランから出る遊覧船からも、この仏像を遠くから眺めることができ、夜間のライトアップされた姿は神秘的でもあります。
夜間のライトアップ
夜の19時~21時までの間、ワット・チャイワッタナーラームは綺麗にライトアップされます。遺跡の中には入ることはできませんが、外の駐車場であれば警備員の方に「パイ カンナイ ダイマイ?」と聞いて、OKであれば短時間ですが見学することができます。
「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」の雰囲気は?
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「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」に行くには
「ワットチャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」はアユタヤの遺跡群から少し離れており、市内からであればトゥクトゥクを利用して行くことをおすすめします。
外国人の方など、レンタルサイクルで来られている方が多い気がしますが、交通量も多く旧市街の中心部から離れていますので正直、おすすめできません。
バンコク方面から車で訪れる際には「UDON Ratthaya 高速道路」を通り、終点のバンパインを降りてアユタヤ方面へ約30km、約20分ほど国道347号線を北上します。
暫く走り県道3263号線へ右折し、約2kmでアユタヤ旧市街へ入る前の橋に到着しますので、左レーンを進んで橋の下をくぐりUターンして、直ぐの交差点を左折して、約1kmほどで到着します。
トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅からであれば、片道150バーツで行くことができますが、帰りのことと周辺には古式ムエタイを創始したといわれるアユタヤ王朝第21代ナレースワン王を荼毘に付したといわれる「ワットウォラチェート」などもありますので、3時間600バーツで貸切った方がお得に回ることができます。
名称 | ワット・チャイワタナラーム |
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名称(英) | Wat Chai Wattanaram |
開場時間 | 08:00~18:30 |
ライトアップ | 19:00~21:00 |
入場料 | 50バーツ |
住所 | Tambon Baanpom, Amphur Pra Nakorn Sri Ayutthaya, Ayutthaya |
その他、豆知識
1:タイ民族衣装をレンタルしてアユタヤ王朝時代へ
「ワット・チャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」に観光客が多いのは昔からなのですが、2018年02月から放送された「ブッぺーサンニワ―ト」というテレビドラマが切っ掛けで、さらにタイの方が観光で訪れるようになっています。
テレビドラマの影響で、タイの民族衣装を着てワット・チャイワッタナーラームを観光する方が多くいらっしゃいます。寺院の前には、200バーツほどでタイの民族衣装をレンタルできるお店が沢山並んでおり、特に女性の方が多くレンタルされているようでした。
外国人の方も衣装をレンタルして、楽しんでいる方がいますので、ワット・チャイワッタナーラームに行かれた時には、是非、試してみて下さい。
2:ワット・チャイワッタナーラームの入り口
チャオプラヤー川側の正面方向から
チャオプラヤー川に面した東側がワット・チャイワッタナーラームの正面となります。観光で訪れた際の入場口が寺院の北側面になり、順路に沿って歩いて行くと、先にご紹介した「礼拝堂の仏像」が見えますので、こちらから寺院を見ると綺麗です。
3:プラーサートトーン王と山田長政
プラーサートトーン王は、かつてアユタヤにあった日本人町の長、山田長政と繋がりがあります。最初は友好的な関係だったようですが、プラーサートトーン王が王位につくのを山田長政が反対したことで、反目してしまい。
ナコンシータマラートへ山田長政を左遷し、日本人町を焼き討ちした人物でもあります。
まとめ
アユタヤで非常に人気のある「ワット・チャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)」をご紹介しました。敷地が広く緑も多いため、気持ち良く散策ができる寺院で、アユタヤ観光の息抜きにピッタリの遺跡だと思います。
ただ写真のように、時間帯によっては大渋滞しますので早めの時間に行かれることをおすすめします。
夕暮れ時に紅く染まるワット・チャイワッタナーラームは、非常に綺麗で見応えがあり、さらに19時からはライトアップされて昼間とは違った雰囲気になりますので、アユタヤへ来られた時には、是非、足を延ばしてみて下さい。
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