ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)/ アユタヤ王朝以前にあった謎の古代王朝時代に建立されたかも知れない、由緒ある現存仏教寺院


    
アユタヤ旧市街の島の外、東側にある「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」は、現在もお坊さんが修行をされている現存仏教寺院ですが、境内には大きく立派なメインチェーディー(仏塔)やアユタヤ王朝後期によくみられる多角形型のチェーディー(仏塔)などが混在しています。
    
筆者は、この寺院の裏手にある「NaiYong Thai Noodle」に家族と食事に訪れることが多く、よく境内を通っていて遺跡があることは知っていたのですが、調べると建立時期は古く、由緒ある現存寺院だと知って驚いたほどです。
    
今回は「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」をご紹介します。
    
       

「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」とは?

        

    
アユタヤ旧市街の島の外、東側に位置し、敷地内の奥側にアユタヤ王朝初期の特徴を備えたメインチェーディー(仏塔)や王朝後期によく見られる多角形型のチェーディー(仏塔)などの遺跡群があり、現在も多くのお坊さんが修行をされている現存寺院です。
   
現チャクリー王朝のラーマ5世によって建立されたとされる礼拝堂も含め、歴史的には、かなり貴重で古い由緒ある寺院だと考えられています。
    
初代ウートン王によってアユタヤ王朝が建国される前、この「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」がある地域には、クメール人による大規模なコミュニティが存在したといわれており、歴史的資料では証明されていないアユタヤ王朝以に存在した「古代王朝時代」の王宮があった場所に、仏教寺院を建立したと考えられています。
    
また余談ですが「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」からパーサック川方面へ約300mほど進んだ場所に、後々、ご紹介する予定の異なる遺跡が存在するのですが、その遺跡も、この「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」の一部ではないかという説もあるほどです。
      
     

「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」の見どころは?

1:遺跡の門とサブチェーディー(仏塔)

     

    

   
現在の寺院正面の門を入ると、右側に昔の正式な参道があり、アユタヤ王朝時代の門の遺跡と盗掘被害にあった王朝後期の特徴を備えた小さな多角形型のサブチェーディー(仏塔)が配置してあり、他の遺跡同様、正面入口は東側を向いています。
    

    

     
この多角形型のサブチェーディー(仏塔)は、先にご紹介した「ワットマイコンサブゥア」「ワットドュシターラム」にある漆喰の花のレリーフが残るチェーディー(仏塔)に形状が非常に似ています。
        

2:礼拝堂

        

       

         
先にご紹介した門の先にあるのが現存の礼拝堂となり、アユタヤ王朝初期に作られた古い基礎の上に、現チャクリー王朝のラーマ5世が新たに建立したものといわれています。中ではお坊さんがタンブンに訪れた方の対応をされていて、綺麗に清掃されていて厳かな雰囲気があります。
       

      

     
さらに礼拝堂内部には「ルアンポーシーアヨタヤ(Luang Pho Si Ayothaya)」とよばれるアユタヤ王朝初期から現存する金色の大きな仏像が安置されていて、深い信仰の対象となっています。
     

3:アユタヤ王朝後期のチェーディー(仏塔)

     

   

    
礼拝堂の西側には、アユタヤ王朝後期に建立されたと考えられている多角形型のチェーディー(仏塔)があり、1層目の四角く高い基礎の上に多角形型のチェーディー(仏塔)がのっている形状で、他の寺院遺跡では見ることのないタイプだと思います。
     

    
また1層目の基礎上部には周辺を囲むように十字型の細工が施してあり、先端部分は崩落しており完全な形状ではありませんが、アユタヤ王朝当時は美しい姿だったことが分かります。
     

4:メインチェーディー(仏塔)

    

   

    
多角形型のチェーディー(仏塔)の後ろに配置されているのが、メインチェーディー(仏塔)でアユタヤ王朝初期、若しくは王朝以前に建立されたと考えられている建築物で頂上部分は崩落して、近くに落ちていますが、古い年代からのものとしては非常に綺麗に保存されています。
    
実際、現存寺院ということもあり、発掘調査などは行われていないようで、その全容は解明されていないとのことです。
    

   

   
四角い大きく背の高い基礎の上に、八角形の基礎、その上に釣り鐘型の本体がのっている形状をしており、特によく見ないと気が付き難いのですが、釣り鐘型の部分には蓮の花の蕾(つぼみ)を模したような漆喰の模様が細工されており、これも他の遺跡にあるチェーディー(仏塔)には見ることのない特徴の一つです。
    

   
上部に登る階段は、意図的なのか分かりませんが閉じられており、現在はメインチェーディー(仏塔)の上には登れないのが残念です。
     

5:礼拝堂跡?

    

   

   
メインチェーディー(仏塔)の後ろ側に、土がこんもりと盛られ塚になっている場所があり、ここがアユタヤ王朝時代の礼拝堂跡で、現在は白い仏像と破壊された仏像の一部が安置されているだけとなっています。
    

    
所々、色の異なる石が埋まっており、最初は分からなかったのですが不思議に思って、よくよく見ると聖域を示す「セーマー」だということに気が付き、踏まなくて良かったと焦る場面もありましたが、ここも発掘が行われていないようですが、恐らく1767年のビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻時に破壊されてしまい瓦礫になっているのだと思います。
    
正直、余り登らない方が良い気がします。
      
       

「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」の雰囲気は?

    

    
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「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」への行き方

     

     
アユタヤ旧市街の島の外、東側に位置しますが、「アヨタヤフローティングマーケット」「ワットクディーダオ」などから1kmほど奥に入った場所にあるため、レンタルサイクルでも行くことはできますが、トゥクトゥクを利用されることをおすすめします。
       

トゥクトゥクを利用する場合

国鉄アユタヤ駅からであれば片道150バーツで行くことができますが「ワットマヘーヨン」をはじめ、「ワットクディーダオ」や「ワットサモンコッタラム」など、規模の大きな見応えのある遺跡群が多々ありますので、4時間800バーツほどで貸切った方がお得だと思います。
    

    

名称 ワットアヨタヤ
名称(英) Wat Ayodhya
名称(タイ) วัดอโยธยา
営業時間 08:00~17:00
定休日 なし
入場料 無料
住所 Hua Ro, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000

    
    

その他、豆知識

ワットアヨタヤの裏側には、絶品クイッティアオ店!

      

     
ワットアヨタヤの裏側には、筆者のイチオシ、タイラーメン(クイッティアオ)のお店である「NaiYong Thai Noodle」があります。ワットアヨタヤの入口を入り、そのまま一番奥まで進み、メインチェーディー(仏塔)を過ぎると右折できる道がありますので、ここを曲がり突当りがお店となります。
      
クイッティアオ(タイラーメン)の美味しいお店なので、ワットアヨタヤに寄った時には、是非、お試しを!
    
    

まとめ

      

   
アユタヤ旧市街の島の外、東側にある「ワットアヨタヤ(วัดอโยธยา・Wat Ayodhya)」をご紹介しました。
   
クイッティアオを食べに行く際に、メインチェーディー(仏塔)の横などを通っていたので、遺跡があることは知っていましたがアユタヤ王朝初期、若しくは、それ以上前に作られた寺院とは考えたこともなく、今更ながらに驚きました。
     
特にメインチェーディー(仏塔)の漆喰細工は、他の遺跡では見ることはない非常に珍しいものなので、是非、足を運んでみて下さい。
   
      

    



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