プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)/ アントーン県にあるアユタヤ王朝後期に建立された王族用の住居遺跡


   
アユタヤ王朝時代に作られた数々の建築物の遺跡は、アユタヤ県内だけに留まらず、近隣のアントーン県をはじめ、アユタヤ旧市街が陥落した際の遷都先として建設が進められていたロッブリー県などにも点在しています。
   
特に遺跡の数が多いのはロッブリー県なのですが、筆者の住むアユタヤからは「32号線(アジアンロード)」を約1時間30分ほど北上する必要があるため、後々、訪問する予定ですが、その少し手前に位置するアントーン県にあるアユタヤ王朝後期に建てられたといわれる遺跡を見に行ってきました。
   
今回は、アユタヤ県外にあるアユタヤ王朝の遺跡「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」、別名「カムヤート宮殿」をご紹介します。
   
    

「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」とは?

     

    
アユタヤ旧市街から車で約1時間ほど離れたアントーン県の田園地帯に位置し、公園として整備されるまで長年放置された「タムナック(高貴な方の住居)」で、意外にもアユタヤ王朝後期の王族に関係のある建物らしく、幅10m✕長さ20mの二階建ての立派な建築物と隣に礼拝堂の基礎が残る遺跡となります。
    

   
後期のアユタヤ王朝は、ビルマ(現在のミャンマー)からの度重なる軍事侵攻によって衰退の道を辿っていました。
    
1758年、第34代「ボーロマコート王」が崩御した後、7番目の息子である第35代「ウトゥンポーン王」が王位に就きましたが、特に何かを成すこともなく2か月で実の兄である第36代「エーカタット王」に王位を譲り、退位したといわれています。
    
「ウトゥンポーン王」が退位後、アユタヤ王朝から遠く離れたアントーン県の、この地で僧籍に入り、「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」に住んだといわれています。
   

    
アユタヤ王朝後期の礼拝堂などに見られる弓なり型の基礎も現存しており、広い草原に「タムナック(高貴な方の住居)」と礼拝堂の基礎が残り、厳かな雰囲気のあるのが特徴です。
   
建物自体は二階建てになっており、東側の正面入口に階段が設置してあり、気軽に登ることができます。
      
     

「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」の見どころは?

1:礼拝堂跡

    

    

      
「タムナック(高貴な方の住居)」の隣には、基礎のみが残った礼拝堂跡があり、内部には寄贈された仏像が安置されていて信仰の対象になっています。双子のおばあちゃんが敷地内で、お線香や花などのタンブンセットを売っていますので、気軽に購入してお供えをしてみて下さい。
      

    

    

      
礼拝堂の基礎は思った以上に、しっかりとした作りになっており、王族の住んでいた場所に相応しい礼拝堂跡になっていて、さらに周辺には礼拝堂を囲むようにレンガ壁の一部が残っています。
    

2:タムナック(高貴な方の住居)

     

     

   

   

   

   

     
建物の正面入口は、アユタヤにある遺跡や寺院と同様に東側を向いており、二階建ての建物には美しいアーチ型の窓をはじめ、少しだけ漆喰のレリーフが現存しています。
    

  

  

     
階段を登った二階部分には、一部、アユタヤ王朝時代のように立派で頑丈な床板を設置して、「ウトゥンポーン王」が住んでいたときの状態を再現しており、当時の王族の住環境を想像することができます。
    
さらに壁面には、赤い顔料が残るアーチ状の凹みなども数多く配置されていて、恐らくですがアユタヤ王朝当時には、装飾のための仏像のレリーフがあったのだと思います。
     

     

    

       
また一階の床下にも入れるようになっていて、先にご紹介した二階の床板を支えていたレンガの柱などが残っており、以前、ご紹介した「タムナックマヘーヨン」「ワットクディーダオ」の外部にある「Tamnak Kammalian(タムナック カンマリアン)」などには残っていなかった貴重な内部構造を知ることができます。
      
    

「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」の雰囲気は?

     

      
  
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「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」への行き方

   

   
「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」はアユタヤ県の隣、アントーン県の中心部に位置し、県庁のある街からは、かなり離れた田園地帯の中にあり、自家用車であれば比較的簡単に行くことができるのですが、アユタヤからだと約1時間ほどの遠距離となり、トゥクトゥクやレンタルバイクでは行くことができないため、タクシーを利用するか、若しくはアントーン県の県庁所在地までロットゥ(乗合いバス)で行き、そこから移動手段を見付けるしかありません。
   
アユタヤから行く場合には「アユタヤシティパーク」のバンコク方面のバス乗り場に、客待ちのタクシーが居ますので、交渉次第になると思います。
  
ただアントーン県には、全高93mのタイ国内最大の仏像がある「ワットムアン」などがあり、見どころも多い県なので1日2,000バーツほどで貸切って日帰り観光をするのも方法の一つだと思います。
   
遺跡をご紹介しておきながら、詳しい行き方の説明ができず、申し訳ありません。
    
    

   
    

名称 プラータムナックカムヤート
名称(英) Phra Tamnak Khamyad
名称(タイ語) พระตำหนักคำหยาด
営業時間 なし
拝観料 なし
住所 Kham Yat, Pho Thong District, Amphoe Mueang Ang Thong, Chang Wat Ang Thong 14120

    
   

まとめ

   

    
アユタヤの隣の県、アントーン県にあるアユタヤ王朝後期に建立され、第35代「ウトゥンポーン王」が退位後に住んでいたといわれる「プラータムナックカムヤート(พระตำหนักคำหยาด・Phra Tamnak Khamyad)」をご紹介しました。
   
自家用車であればアユタヤから1時間ほどで、気軽に行くことができる場所にあり、静かな田園地帯の奥、厳かな雰囲気のある遺跡で周辺には大きく育った樹々が、「タムナック(高貴な方の住居)」を守っているような不思議な感覚を感じることができると思います。
    
交通の便は悪い場所ですが、アントーン県に行く機会があれば、是非、足を延ばしてみて下さい!



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