ご紹介する「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」は、アユタヤ旧市街島内部の南西部に位置し、3つの礼拝堂と2つの異なる様式のチェーディー(仏塔)、鐘楼(しょうろう)で構成された仏教寺院遺跡で、敷地が広大で、木陰にいると気持ち良く昼寝ができそうな場所にありオススメです。
ただ以前、ご紹介した「ワットプラサート」ほど凄くはないですが、遺跡までは舗装された道が通っておらず、野原の中にある「けもの道」を歩いて行くことになり、雨期が始まると緑に覆われてしまい、行くのは難しくなってしまう遺跡でもあります。
今回は、道からは見えていても行き難い仏教寺院遺跡「ワットサンカタ(Wat Sangkha Tha)」をご紹介します。
「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」とは?
「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」はアユタヤ旧市街の島の中、チャオプラヤー川沿いに近い南西部にある仏教寺院遺跡で、広大な敷地を有しており、一説には2つの寺院が複合した遺跡ともいわれていますが資料が失われており、正確な建立時期や理由なども分かっていません。
アユタヤ王朝年代記に、第34代ボーロマコート王に招かれた牧師が住んでいたとの記述や遺跡調査による建築物の特徴から、アユタヤ王朝後期に建立されたと考えられています。
東側が寺院正面となっており、礼拝堂、スリランカ様式のチェーディー(仏塔)、礼拝堂、多角形型のチェーディー(仏塔)と建築物が並び、北側に3番目の礼拝堂と鐘楼(しょうろう)という配置になっています。
開けた草原のような場所に建っており、晴れた風のある日には、木陰でのんびりと昼寝ができるような感じの場所です。
「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」の見どころは?
東の礼拝堂(1)
寺院正面にあるのが東の礼拝堂(1)で建物の基礎自体が高く作られており、その周りには聖域を示す「セーマー」と呼ばれる境界石を配した小さなチェーディー(仏塔)が礼拝堂を取り囲むように数基配置されています。
建物を支えていた柱の基礎などはありませんが、内部の西側には祭壇が配置されています。
スリランカ様式のチェーディー(仏塔)
東の礼拝堂の後ろに配置されているのが、スリランカ様式のチェーディー(仏塔)で八角形の基礎部分が3段式に積まれ、その上に釣鐘型の本体が乗っている形状となり、アユタヤ王朝後期に作られた遺跡によく見られる形状です。
この形状のチェーディー(仏塔)は、先にご紹介した近隣にある「ワットジャオプラッ(Wat Chao Prab)」とアユタヤ旧市街の島の外、北側の遺跡群にある「ワットジョンコム」の二重構造のチェーディー(仏塔)に似ています。
礼拝堂(2)
2つのチェーディー(仏塔)に挟まれたように、二つ目の礼拝堂が配置されていて、建物長手方向の中央部分が弓なりに湾曲しているアユタヤ王朝後期の建築物に見られる特徴を備えています。
東側からみて左側の階段には漆喰の装飾が少しだけ残っており、真近に見ることができます。
礼拝堂内部には柱を支えていた基礎と西側には、仏像を安置していたと思われる台座が3カ所に残っていますが、仏像などはありません。
クメール様式に似た多角形型チェーディー(仏塔)
寺院の一番西側にあるのが、クメール様式に似た作りの多角形型チェーディー(仏塔)で八角形の基礎の上に本体が配置された作りとなっています。
正直、八角形の基礎の上に「釣鐘型」というタイプはよく見かけますが、八角形の基礎の上にクメール様式のチェーディー(仏塔)が配置された遺跡を見たことがありません。
周辺を散策してみると西側の基礎壁面が崩壊しており、恐らくですがチェーディー(仏塔)を拡大している途中で放棄されたため、このような形状のチェーディー(仏塔)になったのではないかと思います。
またチェーディー(仏塔)本体には、漆喰のレリーフが少しだけ残っており、西、北、南の三方向の偽窓には破壊された仏像のレリーフが残されており、これも見どころの一つです。
北の礼拝堂
東の礼拝堂(2)から北にレンガでできた歩道が伸びており、その先に北の礼拝堂があります。こちらも礼拝堂(2)同様、建物の基礎が弓なりに湾曲しており、アユタヤ王朝後期の建築物にある特徴を備えています。
東側に3つの階段が配置され、内部北側にはお坊さんが読経をする祭壇があり、西側奥には破壊された仏像が1体だけ安置された祭壇があります。
鐘楼(しょうろう)
北の礼拝堂の正面には鐘楼(しょうろう)があり、大きく頑丈な基礎で作られていて、他の建築物とは少し印象が異なりますが、寺院の敷地が広いので、これくらいの大きさが必要だったのかも知れません。
「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」の雰囲気は?
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「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」への行き方
先にもご紹介しましたが、「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」へは、舗装されていない野原の中、「けもの道」を歩いて行く必要がありますので、国鉄アユタヤ駅から、トゥクトゥクを利用して行くことをオススメします。
トゥクトゥクを利用する場合
「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」の直ぐ近くまでは、国鉄アユタヤ駅から片道100~150バーツで行くことができますが、遺跡のある野原の中までは入ることができませんので、帰りのことを考慮すると沿道の近くで待ってもらった方が無難です。
近隣には以前にご紹介した「ワットウボーソット(Wat Ubosot)」や「ワットソム(Wat Som)」などもありますので、2時間400バーツほどで貸切った方がお得です。
名称 | ワットサンカテェ |
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名称(英) | Wat Sangkha Tha |
営業時間 | なし |
拝観料 | なし |
住所 | Pratuchai, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
その他、豆知識
タイへの荷物発送での注意点
筆者が赴任した頃と比べると、最近は無くなりつつありますが、タイでは郵便小包の盗難や抜き取りといった犯罪が思った以上にあります。
筆者も日本の実家から、時々荷物を送ってもらうことがありますが「郵送住所を自宅ではなく勤務先にしています。」
これは盗難対策の一環で、個人向けの荷物の場合、紛失を装って盗難されても余程の物でない限り、泣き寝入りすることが多く、警察への被害届を出さないと考える輩が多いですが、郵送先が企業だった場合、警察へ盗難届を出される「可能性」が高いため、盗難、抜き取りといった犯罪を行い難いという点があります。
4月に入り、タイへ赴任される方もいらっしゃると思いますが、日本と違って犯罪に対して幾つもの予防線を張っておく必要がありますので、参考にしてみて下さい。
まとめ
アユタヤ旧市街の島内南西部にある「ワットサンカテェ(Wat Sangkha Tha)」をご紹介しました。以前にご紹介した「ワットプラサート」ほど、凄くはないですが野原の中を通って行くため、雨季になると行く難い仏教寺院遺跡ですが、広い敷地内に異なる様式のチェーディー(仏塔)などがあり、特に漆喰のレリーフは必見なので、アユタヤへ来られた際には、是非、足を延ばしてみて下さい。
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