アユタヤ旧市街の島の外、南側のチャオプラヤー川沿いに位置し、礼拝堂の梁に残る美しい漆喰のレリーフをはじめ、大小10基ほどのチェーディーやなどが残る現存寺院で、今でも多くのお坊さんが修行をされています。
少し奥まった分かり難い場所にありますが、以前、ご紹介した旧市街のタイ料理レストラン「サイトーンレストラン」横の渡し舟でも行くことができます。
今回は「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」をご紹介します。
「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」とは?
アユタヤ旧市街の島の外、未開拓の多くの遺跡が眠る南側に位置し、幹線道路を奥に入ったチャオプラヤー川沿いにある現存仏教寺院です。
敷地内には古い礼拝堂をはじめ、大小10基ほどのチェーディー(仏塔)や「ルアンポーイム(微笑む仏像)」などがあり、小さな寺院ですが見どころの多い場所です。
寺院の歴史は古くアユタヤ王朝中期、第20代「マハータンマラーチャーティラート王」の時代、1587年に寺院の名前にもなっている「ナーンクイ」という富裕層の女性が私財で建立したということが記録として残っています。
その後、1767年のビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻によって、寺院は破壊され放棄されてしまいますが、現チャクリー王朝の第3代「ラーマ3世」によって修復、改修がなされ、現在の姿となっています。
「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」の見どころは?
1:大小10基のチェーディー(仏塔)
ワットナーンクイの入口正面には、左右に大小10基のチェーディー(仏塔)が配置してあり、アユタヤ王朝初期のクメール様式の流れを汲むものをはじめ、初期から中期にかけて多くみられるスリランカ様式、アユタヤ王朝最後期の多角形型まで、さまざまな時代の特徴を残したものがあるのが特徴です。
漆喰のレリーフも残っていますので、美しい姿を見せてくれます。
2:礼拝堂
古い礼拝堂の梁部分が2段構造になっていて、それぞれに漆喰のレリーフが現存しており、非常に美しいので必見ですが、寺院入口に近づくと1段目のレリーフしか見えないため、まずは遠くから全体を見てから中に入ることをおすすめします。
またどちらのレリーフにも、守り神であるナーガが周辺に配置されており、これも見どころの一つですが、どちらのレリーフもある程度の高さがあるため、肉眼では見難いのでオペラグラスなどがあると便利です。
1段目のレリーフ
1段目のレリーフには、人の顔を持つ獅子?のレリーフと花、そのさらに上には美しい女神のような仏像を中心に花が配置してあり、若干ですが青い顔料も見えるため、女性の方が建立したので、レリーフも女性的な感じなのかなと思ってしまいます。
2段目のレリーフ
2段目の梁部分には、アユタヤ旧市街の島の外、北側にある奇跡の寺院「ワットナープラメーン」にあるような「ガルーダに乗ったビシュヌ神」と、その周辺には全面に花柄を施してあり、他の遺跡でもガルーダやナーガだけといったレリーフは、見掛けることは多々ありますが、こういった構図のものはアユタヤの遺跡や寺院では、余り見ない珍しいものです。
3:礼拝堂内部の仏像
礼拝堂内部には、大きな黄金の仏像が安置されていますが、その周辺にも多くの仏像が配置されており、こちらは見た感じからも非常に古く歴史を感じるものです。
よくよく観察したのですが、木製なのか石を削ったものなのかは分かりませんでしたが、見ていると参拝に訪れる方、皆さんの深い信仰の対象になっているようです。
数多くある仏像の中に1体だけ、白い衣装を纏った像があり、これが寺院を建立した「ナーンクイ」といわれています。
4:ルアンポーイム(微笑む仏像)
礼拝堂の反対側、チャオプラヤー川側に安置されている仏像で作られた時期などは一切分かっていませんが、不思議な笑みを浮かべている仏像で、こちらも一見の価値があります。
このルアンポーイムは、最初から「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」にあったものではなく、目の前のチャオプラヤー川を流れて、この寺院の前に浮かんでいたもので、高位のお坊さんが引き揚げて、寺院内に安置されたという伝承が残っているものです。
5: メータキアントン
「メータキアントン」は、もともと寺院内にあった樹齢400年の樹木が洪水被害で枯れてしまい、その枯れた幹から削り出された女性の像で、地元では、この「メータキアントン」を拝むと、タイの宝くじ「ロッタリー」が当たるというジンクスがあり、実際にお参りをして当たった方が数十万バーツを寄付したとのプレートが貼ってあります。
写真の中心に青いプレートがありますが、これにはタンブンで60万バーツを寄付したと記載しているらしいです。
残念ながら、筆者の妻が見に行くのを怖いからと嫌がり、拝観していませんので写真はありませんが、是非、ご自身でご覧になってみて下さい。
「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」の雰囲気は?
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「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」への行き方
「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」はアユタヤ旧市街の島の外、南側に位置し、交通の便が悪い場所にあるため、トゥクトゥクを使って行かれることをおすすめします。
渡し舟を使えばレンタルサイクルでも行くことができますが、道が分かり難いことと、田舎道のため、交通量の割にハイスピードで走る車が多いので、おすすめできません。
トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅からであれば片道200バーツで行くことができますが、近くにはアユタヤ王朝創設期に初代ウートン王が仮王宮とした「ワットプッタイサワン」をはじめ、壁面のレリーフが美しい「ワットタウェット」や「セントジョセフ教会」などもあり、10分ほどで有名観光地である「ワットチャイワタナラーム」にも行けますので3時間600バーツで貸切った方がお得に回ることができます。
名称 | ワットナーンクイ |
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名称(英) | Wat Nang Kui |
名称(タイ語) | วัดนางกุย |
営業時間 | 08:00~16:30 |
拝観料 | なし |
住所 | Samphao Lom, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
まとめ
アユタヤ旧市街の島の外、南側のチャオプラヤー川沿いにある「ワットナーンクイ(วัดนางกุย・Wat Nang Kui)」をご紹介しました。小さな現存寺院ですが、思った以上に見どころの多い場所でもあり、特に礼拝堂の漆喰のレリーフは美しく、非常に珍しい構図となっていますので一見の価値があります。
アユタヤの南側を観光される場合には、是非、足を運んでみて下さい。
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