ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)/ 森の奥深く、静かに悠久の時を刻む、破壊され忘れ去られた仏教寺院遺跡


   
ご紹介する「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」は、アユタヤ旧市街の島の外、未発掘の遺跡が多く残る南側に位置し、政府による発掘調査なども一切行われておらず、全く整備されていない森の中にあるため、通常の観光気分では行くことのできない遺跡です。
  
ただ最近、アユタヤでボランティアをしている方達が、9月の初旬に「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」周辺の森を整備したというニュースがあり、もしかしたら見に行くことができるかもと思い出掛けてみました。
   
少し冒険気分でしたが、無事、「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」へ行くことができましたので、ご紹介します。
   
    

「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」とは?

   

   
アユタヤ旧市街の島の外、南側に位置し、アユタヤ王朝創生期の王宮であった「ワットプッタイサワン」から、直線距離で約800mほど離れた場所、深い森の中にある仏教寺院遺跡です。
   
寺院に辿り着くためには、森の中を抜けて行くため、ヘビやオオトカゲに注意しながら進むことになり、気軽に観光気分で行くことはできないですが、遺跡周辺は厳かな雰囲気のある不思議な感じがします。
   
森の中を抜ける途中にもレンガなどが散乱しており、アユタヤ王朝当時は大きな寺院だった可能性がありますが、現在は破壊された大きな仏像と、盗掘被害にあった多角形型のチェーディー(仏塔)、無数に散乱するレンガ片が残るだけとなっています。
   
1767年のビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻で、アユタヤ王朝が滅亡した際に放棄されて現在に至り、未だ持って政府機関による発掘作業は実施されていないようです。
   
他の遺跡同様、正確な建立時期や理由などは一切、分かっていません。
   
残された建築物の特徴から、アユタヤ王朝後期に建立されたと考えられますが、後々の政府機関の発掘調査が行われた際に発表があると思います。
   
    

「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」の見どころは?

1:多角形型のメインチェーディー(仏塔)

   

  

  

     
寺院の東側には、アユタヤ王朝後期の遺跡によく見られる多角形型のメインチェーディー(仏塔)があり、先端部分はなく、さらに基礎部分は盗掘の被害によって深くえぐられています。
   

    

     

   

   

      
盗掘者がプロなのか、チェーディー(仏塔)の基礎が頑丈なのか分かりませんが、辛うじて倒壊は免れているような状態で、さらに仏塔の中央部分には大きな穴が開けられており、見ていて心が痛くなるほどです。
    

   

   

   

   

   

   

      
ただ部分的に漆喰のレリーフが残っており、アユタヤ王朝当時には美しいメインチェーディー(仏塔)だったことが想像できます。
     

2:チェーディー(仏塔)?

   

  

    
メインチェーディー(仏塔)の西側には、多角形型チェーディー(仏塔)の一部のような感じのレンガの塊があり、基礎部分があるようには見えませんが、近くの地中に埋まっているチェーディー(仏塔)の一部という可能性もあります。
      

3:礼拝堂の柱の基礎

   

   
破壊された仏像の東側の地中から礼拝堂の柱を支えていたと思われる基礎が、部分的に見えており、恐らく、周辺を発掘すれば多くの柱の基礎が出てくるのだと思います。
    

4:破壊された巨大な仏像

    

  

  

  

  

   

   

   

    
寺院の西側にあるのが「破壊された巨大な仏像」の一部で、祭壇の上に仏像の足の部分が残っていますが、かなりの大きさで現存する部分だけでも約2mほどの高さがあり、アユタヤ王朝当時の仏像の全高は5mほどになったのではないかと想像できます。
   

  

  

   

  

   

      
また残念なことに、この仏像も盗掘されており、正面から見ると所々に穴が開いているだけのように見えますが、後ろに回ると祭壇の中心部に大きな裂け目があり、保護措置を取らなければ、倒壊してしまうのではないかと心配になるほどの被害です。
         
日本人的には貴重な文化遺産だと思うのですが、価値の分からない盗掘者には本当に憤りを感じてしまいます。
    

   

      
また仏像の正面には1本の大きな樹木が生えており、これが仏像を守っているようにも見え、不思議な感じがします。
    
     

「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」の雰囲気は?

森の中を抜けて行く場所にあり、一人で行ったので、もしもの時のために最初から撮影をしていますので、少し長い動画になっています。
   
    

   
    

    
    
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「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」への行き方

   

   
アユタヤ旧市街の島の外、南側に位置し、交通の便が悪く、さらに「ワットプッタイサワン」から直線距離で800mほどの森の中にあるため、トゥクトゥクを利用して行くことはできますが、整備されていない今の段階では「一人で行くことは、絶対に避けた方が良い遺跡」です。
    

トゥクトゥクを利用する場合

国鉄アユタヤ駅から片道200バーツで行くことができますが、トゥクトゥクの運転手の方も場所を知らない可能性が非常に高いため、Googleマップを利用して行くことになると思いますが、どうしても行きたい場合には、不測の事態に対応できるように必ず複数人で行かれることを強くおすすめします。
     
     

   
    

名称 ワットコークカミン
名称(英) Wat Khok Khamin
名称(タイ語) วัดโคกขมิ่น
営業時間 なし
拝観料 なし
住所 Samphao Lom, Phra Nakhon Si Ayutthaya District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000

   
    

その他、豆知識

ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)に行く際の注意点

   

   
先にご紹介したように、森の中を抜けて行く場所にあるので、一人で行くには危険度が高いため、どうしても行く場合には複数人で行くことを強くおすすめしますが、それ以外にも、森への入口には空き地があり、ここに車などを駐車することになります。
  
この空き地の隣にはステンレス柵などを作るお店があり、土曜日は開いていますので、ひとこと言っておくと何かの時に安心です。
   
「ポム ヤーク ジャパイ ワットカミン、カイカイ チャイマイ クラップ(私、コークカミンに行きたいです。近いですか?)」
   
という感じで言っておくと、気軽に教えてくれると思います。
   
筆者は一緒に行く人がいなかったため、一人で森に入りましたが、もしもの時のために妻に駐車場で待ってもらい、携帯は通話状態にしてポケットに入れるという方法で安全策を講じていました。
   
動画では、森を抜けたら周辺に民家が見えますが、実際には民家側は沼になっており、森を抜ける以外の道はないようです。筆者が遺跡から戻る際には、茂みの中をオオトカゲか何かが、ガサガサと歩く音がしていましたので、やはり一人では絶対に行かない方が良いと思います。
  
     

まとめ

   

   
アユタヤ旧市街の島の外、南側の森の中にある手つかずの遺跡「ワットコークカミン(วัดโคกขมิ่น・Wat Khok Khamin)」をご紹介しました。
   
森の中を抜けて行くため、安全策を講じる必要がある遺跡ですが、ボランティアの方が樹々を綺麗に伐採してくれているため、今は何となく遺跡へ続く道ができていますので、どうしても行きたい場合には複数人で、細心の注意を払って行くようにして下さい。
   
厳かな不思議な感じのする遺跡なので、今後、政府による整備がされてから行かれると良いかも知れません。
  
   
   
    



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