ご紹介する「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」は、アユタヤ旧市街の島の外、西側にある有名観光地である「ワットチャイワッタナーラーム」から1kmほど離れたチャオプラヤー川沿いにある現存仏教寺院で、殆どの建物は近代になって建立されたものですが、寺院の奥側に珍しいメインチェーディー(仏塔)が残っています。
メインチェーディー(仏塔)の他にも破壊された仏像などが残っており、静かに参拝することができる場所でもあります。
今回は「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」をご紹介します。
「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai)」とは?
アユタヤ旧市街の島の外、西側に位置し、チャオプラヤー川沿いにある現存仏教寺院で、有名観光地である「ワットチャイワッタナーラーム」から1Kmほど離れた場所にあり、奥まった場所にあるため、一般の観光客は寺院の存在も知らないと思います。
ただ寺院自体はアユタヤ王朝第18代「チャクラパット王(白象王)」の時代、1549年に起こった白象を巡るビルマ(現在のミャンマー)との戦争時に建立されたという記述がアユタヤ王朝年代記に残っており、アユタヤ王朝中期から続く由緒ある寺院ということが分かります。
境内の建物の殆どが近代になって建て替えられたものばかりですが、礼拝堂のある敷地内には、倒壊しそうな珍しいメインチェーディー(仏塔)をはじめ、アユタヤ王朝後期の特徴を残すサブチェーディや破壊された仏像の一部が残っています。
他の礼拝堂には、高名なお坊さんの蝋人形が飾ってあるなど、タイ人の参拝者が多い寺院でもあります。
「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」の見どころは?
1:サブチェーディ(仏塔)
メインチェーディー(仏塔)のある礼拝堂の敷地内には3基ほど、アユタヤ王朝後期の特徴を備えた多角形型のサブチェーディ(仏塔)が残っています。残念なことに、他の遺跡同様、部分的に盗掘された跡がありますが、綺麗な漆喰のレリーフも所々に残っています。
2:新しい礼拝堂
サブチェーディー(仏塔)の後ろには、新しい礼拝堂が配置されており、正面入り口はチャオプラヤー川に向いていて屋根の梁には美しい装飾が施されていますが、内部には入れないようになっており、見学することはできませんでした。
3:メインチェーディー(仏塔)
新しい礼拝堂の横には、倒壊を防ぐための柵に覆われたメインチェーディー(仏塔)がありますが、非常に珍しい形状をしており、この形状をしたメインチェーディー(仏塔)はアユタヤ旧市街でも見ないものです。
残念ながら数ヵ所に盗掘の跡があり、表面の化粧レンガは風化のためか剥げ落ちてしまっていて、アユタヤ王朝時代の面影を見ることはできません。
通常のメインチェーディー(仏塔)は基礎部分から、胴体部分、頂上部分と大きく3つで構成されており、宝物などは建築される際に内部に納められるのが普通ですが、この「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」のメインチェーディー(仏塔)は基礎部分が宝物庫になっており、内部には古い仏像が納められています。
こういった基礎部分に宝物庫があり、かつ内部に入ることができる作りになっているものは、アユタヤの遺跡群を見て廻っている筆者でも初めてみたほどです。
4:破壊された仏像
サブチェーディー(仏塔)とメインチェーディー(仏塔)の近くには、破壊された仏像が数体、安置されていますが、残念なことにゴミなども一緒に置いてあるなど、余り綺麗にされているとは言えないのが残念でした。
5:新しい礼拝堂2
メインチェーディー(仏塔)のある礼拝堂の向かい側には、同様に新しい礼拝堂があり、こちらには高名なお坊さんの蝋人形が安置されています。筆者が訪れた際にも多くの参拝者の方がおり、祈りを捧げられていました。
やはり外国人が訪れるのは珍しいようで、中に入って一礼をしたのですが「コンイープン?」という感じで質問されたくらいです。
「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」の雰囲気は?
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※「タイ猫Yuwiのアユタヤ観光案内」の動画は「GoPro Hero7 Black」で撮影しています。
「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」への行き方
「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」はアユタヤ旧市街の西側、チャオプラヤー川を挟んだ対岸にあり、直ぐ近くには有名な観光名所である「ワットチャイワッタナーラーム」があります。
レンタルサイクルでも行くことはできますが、交通の便が悪い場所にあるため、帰りの事を考えるとトゥクトゥクを利用されることをおすすめします。
1:トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から150バーツで行くことができますが、周辺には「ワットチャイワッタナーラーム」をはじめ、古式ムエタイを創始した黒の王「ナレースワン王」を荼毘に付した「ワットウォラチェート」やスリランカへの仏教布教の礎を築いた「ワットタンマラーム」などがありますので、3時間600バーツで貸切って回った方がお得です。
名称 | ワットサナームチャイ |
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名称(英) | Wat Sanam Chai |
名称(タイ語) | วัดสนามไชย |
営業時間 | 08:00~17:00 |
拝観料 | なし |
住所 | Moo 10, Tambon Ban Pom, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Phra Nakhon Si Ayutthaya, 13000 |
まとめ
アユタヤ旧市街の島の外、西側に位置し、宝物庫を持つ珍しいメインチェーディー(仏塔)を持つ「ワットサナームチャイ(วัดสนามไชย・Wat Sanam Chai )」をご紹介しました。寺院の殆どが近代になって再建されたものばかりですが、多角形型のサブチェーディー(仏塔)や破壊された仏像などアユタヤ王朝時代の遺跡を有する現存仏教寺院ですが、ガイドブックなどには一切情報のなくレアな遺跡だと思います。
近隣にはアユタヤの観光名所である「ワットチャイワッタナーラーム」や「ワットウォラチェート」などもありますので、少し足を延ばしてみては如何でしょうか?
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