アユタヤ旧市街の東側に位置し、「ポンペット要塞」近くの路地を少し奥に入った場所にある「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」は、アユタヤ王朝時代に作られた寺院が現チャクリー王朝によって改修、増築された現存寺院です。
寺院にある2つの礼拝堂には、どちらにも美しい壁画が描かれており、必見だと思います。
今回は「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」をご紹介します。
「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」とは?
アユタヤ旧市街の島内、東側に位置し、近くには「ポンペット要塞」や「ワットタノンジン」などがあり、アユタヤ王朝時代には中国商人のコミュニティーがあったといわれる地域にあり、綺麗に整備された敷地内には、2つの礼拝堂とスリランカ様式のメインチェーディー(仏塔)、鐘楼(しょうろう)や大きな菩提樹などがあります。
アユタヤ王朝時代には「ワットトン(黄金寺院)」と呼ばれ、王朝後期に建立されたと考えられていますが、1767年のビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻によって、ことごとく破壊されてしまい18年ほどの期間、廃寺として放棄されていたといわれています。
実際に「ワットトン(黄金寺院)」としての情報は残っておらず、あくまでも口伝となっているようですが、現チャクリー王朝のラーマ2世によって再建が開始され、ラーマ3世の時代に終了したといわれています。
現在ではアユタヤ王朝当時の面影は一切、残っておらず、現チャクリー王朝に建立された仏教寺院という認識が一般的な現存仏教寺院です。
「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」の見どころは?
1:説教堂
寺院の入口を入って右側にあるのが礼拝堂で、現チャクリー王朝のラーマ4世にて増築された建物といわれており、奥側には金色の仏像が安置してあります。
また建物内部にはアユタヤ王朝第21代「ナレースワン王」の生涯を描いた壁画が描かれていて外国人でも分かるように英語の案内板も配置してあります。
2:礼拝堂
礼拝堂の基礎がアユタヤ王朝後期の建物に見られる弓なり型をしており、現チャクリー王朝初期にもみられる特徴といわれています。礼拝堂内部には、古い仏像が安置されていますが、最大の見どころは壁一面に描かれている壁画です。
入口正面に描かれているのは、仏陀が悟りを開くために瞑想をしている際に魔物の軍団が襲撃をしましたが、それを「プラメートラニー」が防いだという仏教の伝承を描いており、非常に美しく、ずって見ていても飽きないほどです。
左右の壁面には仏教の宇宙論を描いた壁画が所狭しと描かれています。
3:釣り鐘型のチェーディー(仏塔)
説教堂の後ろ側にあるのが釣り鐘型のメインチェーディー(仏塔)で白く塗装されており、非常に綺麗な形状をしたものです。四角いテラスの基礎の上に作られていて、西側の奥に上へ登れる階段があり、周辺を歩いて廻ることができます。
その周辺には、アユタヤ王朝時代の遺跡では見ない形状の小さなサブチェーディー(仏塔)が数基建立されています。
4:鐘楼(しょうろう)
敷地の東側の入口近くには、大きな鐘楼(しょうろう)が配置されていて、中に階段があって2階部分に設置している鐘の所で上がれるようになっています。
5:トンポー(菩提樹)
寺院の敷地内には、ひと際大きなトンポー(菩提樹)が植えられており、仏教の聖地とも呼ばれるインドのブッダガヤから持ち込んだもので、正面には仏像が配置されています。
「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」の雰囲気は?
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「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」への行き方
「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」はアユタヤ旧市街の島内、東側にあり、レンタルサイクルでもトゥクトゥクでも気軽に行くことができる場所にあります。
1:トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」へは片道100バーツ、所要時間も10分程で簡単に行くことができますが、3時間600バーツで貸切って、世界遺産「古都アユタヤ」の遺跡群を見て廻る方が断然お得なのでおすすめです。
2:レンタルサイクルを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から渡し舟(片道5バーツ)で旧市街に入り「December House」で1日50バーツでレンタルサイクルを借ります。
その後、アユタヤ島の周回道路である「Uthong Rd(ウートンロード)」へ出て、左折して道なりに約1kmほど直進すると、右側に寺院の大きな看板がありますので、そこを右折し、駐車場を通り過ぎた一番奥に寺院があり、到着です。
レンタルサイクルでも5分ほどの道のりです。
名称 | ワットスワンダーラーム |
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名称(英) | Wat Suwandararam |
名称(タイ語) | วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร |
営業時間 | 07:30~16:00 |
拝観料 | なし |
住所 | 1/6 ซ.อู่ทอง 4 Tambon Pratuchai, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
まとめ
アユタヤ旧市街の島内、東側にある現存寺院「ワットスワンダーラーム(วัดสุวรรณดารารามราชวรวิหาร・Wat Suwandararam)」をご紹介しました。
現チャクリー王朝のラーマ2世の時代から再建が開始されたので、少なくても200年は経っている古い寺院となります。アユタヤ王朝時代の遺跡は残っていませんが、非常に綺麗な寺院で散策していても気持ちの良い場所で、さらに一番の見どころは、礼拝堂の中に所狭しと描かれた壁画で、是非、是非、訪れた際にはゆっくりと干渉してみて下さい。
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