プラサート ナコンルアン/ アユタヤでは非常に珍しい階層構造を持つ、お城の遺跡


   
ご紹介する「プラサート ナコンルアン(Prasat Nakhon Luang)」は、世界遺産に指定されている「古都アユタヤ」の遺跡群から離れた「ナコンルアン郡」にあり、現在も多くのお坊さんが修行をしている現存仏教寺院遺跡です。
   
以前にご紹介した「ワットマヘーヨン」をはじめ、アユタヤには遺跡と寺院が混在する場所が多くありますが、この「プラサート ナコンルアン」は、砦のように階層構造になった遺跡の上に、現存寺院が建っている他の遺跡とは異なる特徴を持つ仏教寺院遺跡です。
    
今回は「プラサート ナコンルアン(Prasat Nakhon Luang)」をご紹介します。
    

「プラサート ナコンルアン(Prasat Nakhon Luang)」とは?

  

   
アユタヤ県の北東部「ナコンルアン郡」にある仏教寺院遺跡で、大きなお城の遺跡の頂上には「仏陀の足型」が祀ってあり、世界遺産「古都アユタヤ」の中心地である「ワットプラシーサンペット」から約20kmほど離れているため、外国人観光客の方は、ほぼ来ることのない場所です。
   
アユタヤ王朝第27代「プラーサートトーン王」の時代に、カンボジアのクメール様式を参考に、お城と寺院の建立が開始されたといわれていますが、王の在位中には完成せず放置され、現チャクリー王朝のラーマ5世によって、現在のスタイルに改修されたといわれています。
    
3つの階層から作られ、1階層、2階層は他の遺跡同様にレンガ作りとなっており、特に1階層は美しい回廊になっていて、修復された仏像なども安置されています。
  
   

「プラサート ナコンルアン」の見どころは?

1:1階層の回廊遺跡群

    

   

    

    

    

    

    
「プラサート ナコンルアン」は、厳密にいうと4階建ての遺跡となっており、1つめの階段を登ると「1階層」となり、敷地全体を囲むような回廊(城壁)構造となっていて、全部で10ヵ所のチェーディー(仏塔)が配置してあります。
    

    

    

    
また壁面側には、仏像が並んでいたと思われる台座があり、以前にご紹介した「ワット・チャイワタナラーム」にある回廊とよく似ており、これはどちらの寺院遺跡も同じ「プラーサートトーン王」が建立したことに由来しているようです。
   

2:1階層の回廊内の仏像-1

   

    

     

   

   
1階層を囲む回廊には、仏像が納められたチェーディー(仏塔)が10ヵ所あり、その中の2基だけでに復元された仏像が安置されています。
  
  
    
こちらの仏像は南東側(入口の反対側)に安置されており、面長で優しい感じのする仏像でチェーディー(仏塔)の天井部分が崩壊しており、12角形のように開いた部分から空が見え、美しいコントラストを見せてくれます。
   

3:1階層の回廊内の仏像-2

    

   

   

   

   
こちらの仏像は、先にご紹介した仏像とあきらかに作りが異なり、恐らく異なる時代に作られたものを修復したのだと思います。また他の遺跡では見ることのない、仏像自体に「朱」が施してありますので、是非、機会があれば見てみて下さい。
   

4:2階層の回廊と壁

    

    

    

    

     

    
1階層から2階層に登る階段は幾つかありますが、かなり急なので正面にある階段を利用されることをおすすめします。
   
2階層に上がると、こちらも周囲を回れるような回廊状になっていますが、1階層とは異なり、仏像を安置する台座などはなく、入口と反対側に幾つか壁が残っていますので、居住区になっていたような感じです。
   

5:3階層の回廊と仏像

    

    

    

   

   

    

   

   

   

    
3階層は下の階層のむき出しのレンガ作りとは異なり、白く塗装され綺麗に整備された回廊がグルっと廻っており、中には数多くの仏像が安置されていて圧巻です。
   
全ての仏像のお顔が異なり、さらに1階層の仏像と同じように「朱」が塗られているものもあったりと、ゆっくりと回廊を歩きながら見て廻ることができます。
   

6:仏陀の足跡

   

   

   

   
3階層の中心には「仏陀の足型」が安置されたお堂があり、4方向を仏像が守護しているような配置となっています。3階層の入口で、お線香やロウソクなどを20バーツで購入することができますので、付属している金箔を、この足型に貼付けてタンブンをします。
   
筆者が訪れた時には、敬虔なタイ人の方が多く参拝されていました。
    

7:ガネーシャ像

   

   

   
3階層のお堂の前にはガネーシャ様の像が安置されており、ここでお線香やロウソクをタンブンするようになっています。
   
写真では少し見難いですが、骸骨の上にガネーシャ様が乗っており、他の遺跡や寺院では見ない構図となっており、どのような意味があるのか調べてみましたが、残念ながら分かりませんでした。
   

8:月の石?

   

   

   

   

    
「プラサート ナコンルアン」へ入る場所に小さなお堂があり、この中には「月の石?」といわれる直径2mの丸い円盤状の石が、ご神体として祀られています。色々と民間伝承があるようで、こちらも多くの方が参拝されていました。
   
    

「プラサート ナコンルアン」に行くには?

   

   
「プラサート ナコンルアン」はアユタヤ旧市街から20kmほど離れており、国鉄アユタヤ駅から行く場合でも片道20分以上は掛かり、明確な料金表示もないため、1時間200バーツほどでトゥクトゥクをチャーターして行くことをおすすめします。
   
レンタルバイクでも行くことはできますが、幹線道路である32号線(通称:アジアンロード)を通り、かつ大型トラックが行き来する場所なので、正直、安全面で考えるとおすすめ出来ません。
  
  

  
  

名称 プラサート ナコンルアン
名称(英) Prasat Nakorn Luang
開場時間 08:00~18:00
入場料 無料
住所 Nakhon Luang, Amphur Pra Nakorn Sri Ayutthaya, Ayutthaya 13260

 
     

まとめ

    

   
アユタヤ旧市街からは、かなり反れた場所にある「プラサート ナコンルアン」をご紹介しました。筆者がこの遺跡を知ったのは、会社の幹部だけでタンブン(徳を積む)に行ったのが切っ掛けで、直ぐ近くには工場などが立ち並び、こんな所に遺跡や寺院があるとは思えない場所にあります。
   
お城の遺跡はアユタヤでも珍しいので、遠いですが是非、足を運んでみて下さい。
    




  
   

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