ポンペット要塞(The Phet Fortress)/ アユタヤ王朝時代、外敵からの都市防衛の要だった重要な要塞

アユタヤ旧市街、チャオプラヤー川とパーサック川の合流地点に、ひっそりと佇むのはアユタヤ王朝時代における守備の要である要塞「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」です。

余り知られていないですが、チャオプラヤー川を進む積載船を、のんびりと見ながら悠久の時を感じることが出来るスポットです。
  

「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」とは?

 

 
「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」は、チャオプラヤー川とパーサック川の合流地点にあるアユタヤ王朝時代に作られた要塞の遺跡で、今では一部分を残するだけとなっています。

アユタヤ王朝の19代目の王である「マハータンマラーチャーティラート(サンペット1世)」によって、西暦1580年に建造されたといわれ、タイ湾からチャオプラヤー川を遡って攻めてくる外敵に対しての防衛の要となっていました。

レンガとモルタルを使用して作られており、高さ6m、幅14mにもおよぶ巨大な要塞で、8ヵ所に大砲の設置台があったといわれています。遺跡となった今でも、その面影を垣間見ることができますが、公園として整備さていますので、のんびりとベンチに座って過ごすことも可能です。

「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」の見どころ

1:要塞内部に入ることが可能

 

 
アユタヤの遺跡群は世界遺産に登録されていることもあり、遺跡内部に入ったり、チェーディー(仏塔)などに登ることを禁止されている物も多く、遠くから見るだけになる場合も多々あります。
 

 
「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」については、要塞の遺跡自体に入ることが可能で、砲台跡などからチャオプラヤー川を望むことも可能になっていますので、おすすめの穴場遺跡でもあります。
 

 
ただ要塞の上部には、登れないようになっていますので、節度ある行動をして頂ければと思います。

2:川の潮目

 

 
「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」の目の前で、チャオプラヤー川とパーサック川が合流するため、雨季の雨の多い時期には2つの川の流れがぶつかることで、渦潮を見ることができます。タイミングによっては乾季でも見れることもあるらしいですが、筆者は雨期でしか見たことがありません。

3:砂利運搬船

 

 
チャオプラヤー川はタグボートに引かれた砂利運搬船が頻繁に往来しています。
 

 
積み荷の積載量によって、船の喫水線の高さが全く異なるため、水面ギリギリの船や異常に水面から出ている船があったりと、この往来を、のんびりと見ているのも思った以上に面白く、おすすめです。
 

 
上の写真と下の写真を見比べると、喫水線がかなり異なることが分かるのではないでしょうか。
 
 

「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」に行くには?

 

 
ポンペット要塞に行くには、アユタヤ旧市街に入る必要があります。

バンコクから幹線道路である32号線をアユタヤ方面へ入り、約3kmほど直進すると大きな仏塔「Chedi Wat Sam Pluem(チェディー・ワット・サーム・プルーム)」が見えます。そのまま直進し、パーサック川に掛かる橋を渡って一番最初の信号を左折し、アユタヤ旧市街の周回道路である「Uthong Road」を左折し、200mほどで到着します。

名称 ポンペット要塞
名称(英) The Phet Fortress
時間 8:00〜17:00
料金 0B
住所 13000, Ho Rattanachai, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000

その他、豆知識

1:砂利運搬船は家と同じ

砂利運搬船は、長い時間を掛けてチャオプラヤー川を遡上して行くため、船の上には家が建てられており、中で普通の家庭生活ができるようになっています。もし運搬途中に子供が産まれた時には、何処に出生届をするのか不思議だったのですが、タイの法律では、産まれた県に出生届を出しに行くようになっているために、着岸して病院に行き、役所へ届けを出すそうです。

2:川遊び

 

 
ポンペット要塞へ行った時、近所の子供たちがチャオプラヤー川に向かって、楽しそうにダイブしていました。この辺りは、川の流れが速いと思って、大丈夫なのか聞いてみると、意外にも「2つの川の合流地点は危ないけど、1つの川だけなら流れが遅いから大丈夫」という返事が返って来ました。
 

 
ただタイでは子供達が気軽に川で水遊びをしていますが、しっかりと泳げる子供は少数派といわれており、日本のように学校の授業で水泳を習うこともありません。もしタイに旅行へ来られて子供が川遊びをしているときは、何気に気にしてあげて下さい。

タイ語で「助けて」は「チュワイ ドゥワイ」といい、直訳では「一緒に手伝って!」という意味ですが、これを聞いたら誰かが助けを求めてると覚えておいて下さい。
  

まとめ

 

 
アユタヤ王朝時代の遺跡である「ポンペット要塞(The Phet Fortress)」をご紹介しました。今は公園になっていて知名度の低い遺跡ですが、アユタヤ王朝時代には、守備防衛の要となった要塞で歴史がありますので、アユタヤへ来られた際には、是非、足を運んでみて下さい。
 
 
 

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