タイでは毎朝、お坊さんへ喜捨をしたり、寺院へ足を運んでお祈りや寄贈をしたりと「タンブン(徳を積む)」という習慣が根付いています。「タンブン(徳を積む)」は、現世で善行を沢山、行うことで「輪廻転生」をした来世でも幸せに暮らせるようにとの祈りが込められています。
「タンブン(徳を積む)」にも、さまざまな方法がありますが、今回は「魚を放流する」というタンブンについてご紹介します。
「タンブン(徳を積む)」とは?
先にもご紹介しましたが、仏教国であるタイでは、筆者の住むアユタヤだけでなく全国的に「タンブン(徳を積む)」という文化が根付いています。
タンブンは簡単にいうと、「善行」を数多く行うことで転生した来世でも幸せになれるという考えに基づいています。
「タンブン(徳を積む)」の種類は?
「タンブン(徳を積む)」には、さまざまなものがありますが、代表的なものをご紹介します。
1:早朝にお坊さんへ喜捨する
タイのお坊さんは、午前中の早い時間(朝6時頃)から、お寺を出て托鉢に出掛けます。タイのお坊さんが食事をすることが出来るのは、托鉢から戻った午前中のみと規定されているため、朝早い時間から托鉢に出掛けます。
お坊さんへ喜捨をすると、お礼にその場で「お経」を詠んでくれますので、タンブンをすると神聖な気分になります。
2:鳥を放鳥する
鳥を放鳥するタンブンは、以前は街中でもよく見られたのですが、動物保護の観点から、最近はアユタヤでは見掛けなくなりました。鳥かごの中に数羽のスズメが入っており、鳥かごの蓋を開けて逃がすというものです。
霞網(かすみあみ)で鳥を捕獲するのが残酷だということで、テレビなどで批判の対象となり、見掛けなくなっています。
3:寺院で喜捨をする
先にご紹介した「ワット ヤイ・チャイモンコン(Wat Yai Chai Monkol)」などでオレンジ色の袈裟を奉納したり、寺院に医薬品やお金の寄付などをするのもタンブンの一つで、寺院に対する尊敬の念も含まれています。
4:魚を放流する
川に魚を放流するタンブンが最もポピュラーで、旧アユタヤ市街のように川に囲まれた場所では、比較的盛んに行われています。特に「ワット・パナンチューン(Wat Panan Choen)」が魚の放流では有名で、多くの人が訪れています。
魚を放流する意味は?
鳥の放鳥も同じ意味合いですが、捕獲されている動物を自由にしてあげたり、エサを与えることで善行を積むというものです。
筆者はよく「ワット・パナンチューン(Wat Panan Choen)」に魚の放流(タンブン)をしに行きますが、チャオプラヤー川とパーサック川の合流地点ということもあり、ナマズなどの大型魚も数多く生息しており、小さな魚を放流して食べられてしまった場合には、タンブンとは逆の意味になってしまうので注意が必要です。
放流する魚について
放流する魚によっても、色々な意味があり、正直、数が多過ぎて筆者も内容まで覚えきれていません。「ワット・パナンチューン(Wat Panan Choen)」に向かう沿道には、タンブンの魚やエサを販売している露店が数多くありますので、店主に聞いてみると良いかも知れません。
筆者は、いつも同じ店で魚を購入するので、お店の方に選んでもらっています。ご紹介した写真の他にも、亀やカエルなども売られており、見ているだけでも面白いと思います。
タンブン(魚の放流)のおすすめの場所は?
アユタヤで魚の放流をするのであれば、「ワット・パナンチューン(Wat Panan Choen)」が最もおすすめで、川岸に降りることができ、タンブン用のエサなども現地で販売されていますので、非常に便利です。
他には、国鉄のアユタヤ駅の直ぐ目の前にある「ワット・ピチャイ ソンカーム(Wat Pichai Songkram)」はパーサック川に面しており、川に浮かべた浮き台の上から、魚を放流することができます。
まとめ
魚の放流は比較的やり易く、命を助けるという印象が強く残る「タンブン(徳を積む)」なので、終わった後は気持ちがハレバレすること間違いなしです。また「ワット・パナンチューン(Wat Panan Choen)」へ遊びに行ったついでにタンブンをしても良いかも知れません。
アユタヤに旅行で来た時には、試しに「タンブン(徳を積む)」をしてみては如何でしょうか。
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