アユタヤ旧市街の島の外、北西部に位置する「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」は静かな田園地帯の中にあり、アユタヤ王朝第代「チャクラパット王」がビルマとの戦闘で「シースリヨータイ王妃」を亡くした物語に縁のある仏教寺院遺跡です。
破壊された仏像の顔やチェーディー(仏塔)の跡、礼拝堂や叙階ホール跡などが残っており、アユタヤ王朝当時は比較的大きな寺院だったことが分かります。
今回は「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」をご紹介します。
「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」とは?
アユタヤ旧市街の島の外、北西部に位置し、小さな運河を挟んだ東側には、以前ご紹介した「ワットプーカオトーン」などがある静かな田園地帯の中で、ひっそりと時を刻んでいます。
この「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」は、アユタヤ王朝年代記にも、その寺院名が記載されており、アユタヤ王朝中期、第18代「チャクラパット王(1509~1569年)」の時代に建立されたと考えられています。
ビルマ(現在のミャンマー)との第一次緬泰戦争(1548~1549年)の際に、この寺院にアユタヤ軍が駐留して戦闘を行ったという記述が残っており、この戦いで「シースリヨータイ王妃」がチャクラパット王を守って戦死したことは、タイでは非常に有名なお話です。
寺院はレンガの壁で囲まれており、敷地内には礼拝堂跡をはじめ、メインチェーディー(仏塔)の基礎や破壊された仏像が残されています。
「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」の見どころは?
1:叙階ホール跡
寺院の東側には叙階ホール跡があり、中には樹々が茂っていて入ることができませんが、内部には大きな四角い橋の基礎が残っていて奥の方には、お坊さんの座る祭壇のようなものが見えています。
2:メインチェーディー(仏塔)の基礎
寺院の北側には、メインチェーディー(仏塔)の基礎のみが残っており、見た目からは様式などは分からず、放射状に組まれた基礎だけとなっています。
ただアユタヤ王朝初期から中期にかけて、メインチェーディー(仏塔)には八角形の基礎が組まれていることが多く、その名残りを見ることができます。
3:礼拝堂
メインチェーディー(仏塔)の南側にあるのが、礼拝堂で、こちらは大きな基礎の上に礼拝堂本堂の基礎が乗っている形状をしており、周辺を回廊状に作られていますので、お祈りを捧げる際に回ることができるようになっています。
内部には、建物の柱を支えていた基礎が残っており、アユタヤ王朝当時は大きな礼拝堂だったことが分かります。
4:破壊された仏像と修復されたお顔
礼拝堂の奥には祭壇があり、手前側にはタンブンで寄贈された仏像が3体、その後ろ、祭壇の上には破壊された仏像が数体分安置されていますが、中心部には少しだけ修復された大きな仏像のお顔が残されています。
1767年のビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻によって、アユタヤの遺跡群は徹底的に破壊されており、中心部にある「ワットマハタート」や「ワットチャイヤプーム」、北部の「ワットケー」など数ヵ所にしか、仏像のお顔が残っている場所はなく、この「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」の仏像は一見の価値があります。
「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」の雰囲気は?
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「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」への行き方
「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」はアユタヤ旧市街の島の外、北西部に位置し、周辺には「ワットプーカオトーン」などがある田園地帯の中にあり、非常に交通の便が悪い場所となります。
国鉄アユタヤ駅からであれば、無理をすればレンタルサイクルでも行くことができますが、交通量の多い幹線道路を走ることになり、危険なのでおすすめできません。
田園地帯ということもあり、安全のためにトゥクトゥクを利用されることを強くおすすめします。
トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅からであれば片道150バーツで行くことができますが、周辺には「ワットプーカオトーン」や「ナレースワン王の公園」などもあり、10分ほどの場所には北側の遺跡群が点在していますので、3時間600バーツで貸切った方がお得です。
名称 | ワットコークプラヤーラーム |
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名称(英) | Wat Khok Phrayaram |
名称(タイ語) | วัดโคกพระยาราม |
営業時間 | なし |
拝観料 | なし |
住所 | Wat Pun, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
まとめ
アユタヤ旧市街の島の外、北西部にある「ワットコークプラヤーラーム(วัดโคกพระยาราม・Wat Khok Phrayaram)」をご紹介しました。
「ワットプーカオトーン」から200mほどの場所にありますが、少し分かり難い場所にあるため、地元の方しか、その存在を知らない仏教寺院遺跡です。タイで最も有名な女性である「シースリヨータイ王妃」にも関係のある場所といわれており、修復された仏像の顔なども一見の価値は十分にあります。
アユタヤの北部を回る際に、少しだけ足を延ばしてみて下さい。
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