ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)/ アユタヤ王朝のソンタム王を輩出した由緒ある仏教寺院遺跡


      
「ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)」はアユタヤ旧市街の西側にあり、「ワット ウォラチェータラーム」の正面にある仏教寺院の遺跡です。世界遺産である「古都アユタヤ」を構成する一つでもあります。
※アユタヤの世界遺産について、詳しく調べると「ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)」は構成遺産には含まれていませんでした。間違った情報を記載していましたので訂正致します。

アユタヤでも最大級の涅槃像がある「ワット ローカヤスターラーム(Wat Lokayasutharam)」から400mしか離れておらず、少しだけ足を延ばしてみると、また違った雰囲気があり、楽しめるのではないかと思います。

隣には小学校があり、平日の夕方、放課後には親の迎えを待つ子供たちの遊び場になっていて、賑やかな雰囲気が漂います。

今回は、ガイドブックには載っていないですが世界遺産「古都アユタヤ」の構成遺跡の一つ「ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)」をご紹介します。

     

「ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)」とは?

   

   
「ワット ウォーラポー」はガイドブックやSNSなどでは、よく素性の分からない寺院遺跡として記載されることが多いですが、世界遺産である「古都アユタヤ」の構成遺跡の一つとなります。

建立時期などの歴史資料は失われており、はっきりしたことは分かっていませんが、日本とも縁のあるアユタヤ王朝第24代ソンタム王(ボーロマラーチャー1世)を輩出した仏教寺院といわれており、その頃は寺院の名前も「ワット ラーカン(Wat Ra Kang)」と呼ばれており、色々と調べると由緒ある遺跡だということが分かります。
  
ソンタム王は「ワット ウォーラポー」の高僧だったといわれており、王に即位するまでの間、この寺院で修業を行っていたといわれています。
  
またアユタヤ王朝第34代ボーロマコート王(ボーロマラーチャーティラート3世 )の時代に、寺院の名称を「ワット ウォーラポー」に変更し、今に至ります。
  
  

「ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)」の見どころは?

1:白い仏陀座像

   

  

  

     
寺院の西側には古いレンガの基礎が残っており、アユタヤ王朝時代には、しっかりとした礼拝堂だったことが分かります。礼拝堂跡の奥には、白い仏陀座像をはじめ、数体の仏像が安置してあり、正面にはお線香やロウソクをお供えする祭壇が備えてあります。
   

2:クメール様式のメインパゴタ

   

   

    
寺院の中心にはクメール様式のメインパゴタがあり、ビルマ(現在のミャンマー)からの軍事侵攻により破壊されたのか、風化による崩壊なのかは分かりませんが、残念ながら頂上部分がありません。
   

  

   

    
メインパゴタの4方向に階段があり、現在は上まで登ることができますが、手すりなども一切ないため、思った以上に高くて怖いので高所恐怖症の方は、下から眺めるだけにして下さい。
  

   

   

  
また寺院の作りとしてメインパゴタの周辺には壁が配置してあり、回廊のように中を回れるようになっていたようで、現在でもその名残を見ることができます。
   
今は遺跡周辺をフェンスで囲まれており、公園として整備される準備を行っている最中なので、近い将来、他の遺跡同様、メインパゴタには登れなくなると思いますので、機会があればチャレンジしてみて下さい。
 

3:八角形の2段式チェーディー(仏塔)

  

  

   

  
先にご紹介した白い仏像の横には、基礎部分が八角形で作られた二段式のチェーディー(仏塔)があります。
  
八角形の土台の上に作られたチェーディー(仏塔)は、アユタヤ遺跡群の中には数多くありますが、「ワット ウォーラポー」のように、さらにもう一段階段を追加した二段式のチェーディー(仏塔)は、ここ以外で見たことがありません。
   
遺跡の修復時に、この形になったのか、それとも最初からなのかは分かりませんが、見てみる価値は十分にあります。
  
  

4:南の礼拝堂跡

 

   

   

  

    

    
メインパゴタの南側にも礼拝堂の遺跡があり、こちらには破壊された仏像の一部が安置されています。
  
礼拝堂の土台が高く積み上げられており、しっかりと作られています。建物があった部分の遺跡跡が回廊構造になっていますので、恐らく当時には数多くの仏像が安置されていたのだと思います。
  
   

「ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)」に行くには?

     

   
「ワット ウォーラポー」はアユタヤ旧市街の西側に位置していますが、「アユタヤ エレファントキャンプ」「ヴィハーン プラ モンコンビット」などから、小さな運河を挟んだ反対側にあり、比較的、交通アクセスは良いと思います。
  
「ワット ローカヤスターラーム」と一緒に足を延ばすと、気軽に見て回ることできます。
  

国鉄アユタヤ駅を起点にする場合

1:トゥクトゥクを利用する場合

「ワット ローカヤスターラーム」まで片道150バーツで行くことができますので、通り道のついでにトゥクトゥクの運転手に寄ってもらうと一石二鳥です。
   
タイ語での交渉は「ヤーク ジャ パイ ワット ローカヤスターラーム、ワット ウォーラポー ドゥワイ ダイマイ?(ワット ローカヤスターラームに行きたい、ワット ウォーラポーも一緒にいい?)」という感じで、グーグルマップやガイドブックを見せながらいえば、大丈夫だと思いますので、頑張って交渉してみて下さい。
   

2:レンタルサイクルを利用する場合

こちらも渡し舟でアユタヤ旧市街に渡ってから、レンタルサイクルを借りて、まずは「アユタヤ エレファントキャンプ」を目指します。エレファントキャンプに到着すれば、そのまま西方向へ直進すると小さな運河に突当りますので、そこに掛かっている木製の橋を渡り、右折して約800mほど進めば左側に小さな小道が見えますので、そこを左折すれば到着です。
  
渡し船の乗り場から、時間的には約20分程で行くことができます。
  

  
  

名称 ワット ウォーラポー
名称(英) Wat Wara Pho
拝観料 無料
住所 13000, Tambon Tha Wa Su Kri, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000

  
  

その他、豆知識

「ワット ウォーラポー(Wat Wara Pho)」での注意点!

  

   
「ワット ウォーラポー」を観光する場合に、最も注意しなくてはならないのが「 野良犬 」です!
上の写真のように注意書きの看板があるほどで、筆者が訪れた時にも5匹ほどの野良犬がおり、1匹には酷く吠えられましたので、もし行かれるときには細心の注意が必要です。
 
タイの犬は日本のように狂犬病のワクチン接種がされておらず、もし噛まれた場合には、どんな小さな噛みキズでも必ず病院へ行かれることをおすすめします!
   

まとめ

  

  
アユタヤ王朝第24代ソンタム王(ボーロマラーチャー1世)を輩出した仏教寺院の遺跡である「ワット ウォーラポー」をご紹介しました。「ワット ローカヤスターラーム」から400mしか離れておらず、少し足を延ばせば見学できる遺跡なので、是非、行ってみて下さい。

ただし、野良犬には十分に注意して下さい。
 
 
  

 

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