アユタヤ旧市街の島の外、南西部にある「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」は田園地帯の中にあり、大きなメインチェーディー(仏塔)と礼拝堂跡、寺院周辺を囲むレンガ壁で構成された仏教寺院遺跡です。
「ワットチャイワッタナーラーム」から、南側にある「ワットプッタイサワン」に抜ける幹線道路沿いにあり、田園地帯の遠くに背の高いメインチェーディー(仏塔)が見えますので、比較的分かり易い場所にあります。
今回はアユタヤ旧市街の南西部にある「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」をご紹介します。
「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」とは?
アユタヤ旧市街の島の外、南西部に位置し、幹線道路から外れた田園地帯の中にあり、大きなメインチェーディー(仏塔)と礼拝堂跡、寺院周辺を囲むレンガ壁で構成されており、少し離れた場所に小さな建物の基礎が残っている仏教寺院遺跡です。
この「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」は、アユタヤ王朝後期の第30代「ナーラーイ王」と王位を争った「Phra Si Sin(プラーシーシン)」という方を埋葬した場所に建立されたといわれており、寺院の正面入り口は東側となっています。
また1767年のビルマ(現在のミャンマー)によるアユタヤ王朝への軍事侵攻時に、ビルマ軍の前線基地になっていたとの記述も残っており、実際、遺跡調査時には槍や刀剣、鉄砲なども出土したことも記録されています。
訪れる方の少ない南東部の遺跡ですが、案外、しっかりとした記録が残っているのには驚きです。
「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」の見どころは?
寺院を囲む外周のレンガ壁
寺院全体を囲むように、広くレンガ壁があり、かなりの広さがあります。部分的に修復されているようで、壁の上を歩きながら遺跡をぐるっと一周することもできます。
ただこのレンガ壁、かなりの厚さがあり、これはビルマ(現在のミャンマー)が軍事基地にしていたこともあり、外壁を頑丈に作っていたことに由来しています。
礼拝堂跡
寺院の東側には礼拝堂跡があり、大きな基礎の上に礼拝堂が配置されていて、奥にある祭壇にはタンブンで寄贈された仏像が祀られており、地元の方の信仰が伺えます。
また礼拝堂跡には、建物の柱を支えていた基礎部分はなく、仏像の後ろ側に聖域を示す境界石の「セーマー」が1つだけ置いてあります。
破壊された仏像
寺院北側のレンガ壁の上に、破壊された仏像が1体だけ安置されており、お供え物が置いてありました。結構、大きな仏像なので、アユタヤ王朝時代には礼拝堂に安置されていたのだと思います。
メインチェーディー(仏塔)
八角形の基礎の上に、すらっと背の高い釣り鐘型の本体が乗っている形状をしていて、メインチェーディー(仏塔)正面の東側には寄贈された仏像が安置してあり、参拝される方のための祭壇が設けてあります。
メインチェーディー(仏塔)の形状は、アユタヤ旧市街北部にある「ワットジョンコム」の二重構造のメインチェーディー(仏塔)と似ていますが、残念ながら基礎部分は傾き始めており、後々、修復が行われるのだと思います。
また周辺の四隅にはサブチェーディー(仏塔)の基礎が残っており、アユタヤ王朝当時は立派な寺院だったことが分かります。
「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」の雰囲気は?
字幕表示を「オン」にすると遺跡の簡単な説明が表示されます。
「タイ猫Yuwiのアユタヤ観光案内」の動画は「GoPro Hero7 Black」で撮影しています。
「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」への行き方
アユタヤ旧市街の島の外、南西部に位置し、交通の便は非常に悪い場所にありますので、国鉄アユタヤ駅からであればトゥクトゥクを利用して行くことをおすすめします。
トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から片道150バーツで行くことができますが、2kmほど離れた場所には「ワットチャイワッタナーラーム」をはじめ、古式ムエタイを創始したといわれるアユタヤ王朝第21代「ナレースワン王」を荼毘に付した仏教寺院遺跡「ワットウォラチェート」がありますので、3時間600バーツほどで貸し切った方がお得です。
「December House」でレンタルバイクを借りて行くこともできますが、分かり難い場所にあることと、交通量の多い場所なのでおすすめできません。
名称 | ワットクラッサイ |
---|---|
名称(英) | Wat Krasai |
営業時間 | なし |
拝観料 | なし |
住所 | Ban Pom, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
その他、豆知識
タイの中古車市場
日本には車検制度がありますが、タイには車検制度がなく、毎年自賠責保険の更新時に簡単なチェックをする程度で済むため、一度、車を購入すると一部の大金持ちの方でなければ、長く乗る方が殆どです。
ただタイの場合、日本と比較した場合、事故で廃車になった車でない限り、結構な金額で下取りをしてくれます。
日本では走行距離10万キロの車だと、逆にお金を払って引き取ってもらいますが、タイでは70万キロ走った車でもボディの程度によっては60~100万円(20~30万baht)で買い取ってくれることが殆どです。
実際、筆者の勤める会社の社有車で75万キロ走った車がありましたが、新車に買い替える際に30万バーツで下取りしてくれたことがありました。
外国人でもワークパミットやリタイヤメントビザなどを取得していれば、自動車やバイクを購入することができますので、参考にしてください。
まとめ
アユタヤ旧市街の島の外、南西部にある「ワットクラッサイ(Wat Krasai)」をご紹介しました。田園地帯の中に、ぽつんと背の高いメインチェーディー(仏塔)が見えるのですが、入口が分かり難く辿り着くのに、思った以上に時間の掛かる場所にあります。
筆者が訪れた時は、寺院を管理されているおじいちゃんがいて綺麗に掃除をされていました。
「ワットチャイワッタナーラーム」からも近い場所にありますので、足を延ばしてみて下さい。
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