ご紹介する「ワット クディーダオ(Wat Khudee Dao)」はアユタヤ旧市街の島の外側、「アヨタヤフローティングマーケット」の近くの道路沿いにあり、修道院と礼拝堂、そして倒壊したスリランカ様式のメインパゴタやチェーディー(仏塔)などがある仏教寺院遺跡の一つです。
この「ワット クディーダオ」は世界遺産である「古都アユタヤ」の構成遺跡ではありませんが、そのスケールの大きさには観光で訪れた時に、驚くと思います。
筆者も初めて訪れたときは、敷地の広さと遺跡の状態などを見て驚きました。
今回は、アユタヤ東部に位置する「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」をご紹介します。
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」とは?
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」はアユタヤ旧市街の島の外側、東側の地区にあり、以前にご紹介した「アヨタヤフローティングマーケット」や「」の直ぐ近く、幹線道路沿いにあります。
正確な文献が残っておらず、寺院が建立された時期などの詳細については分かっていませんが、アユタヤ王朝の初期に建立されたと考えられており、その基礎部分の上に現在の寺院が建立されていることが遺跡調査によって分かっています。
また寺院の周囲には、幅63メートル、長さ256メートルの広さで寺院自体を囲むように壁が作られており、所々にスリランカ様式の門が配置されていて、現在でもその美しい姿を見せてくれます。
アユタヤ王朝時代の記録では、第33代のプーミンタラーチャー(ターイサ王)の時代に、当時、副王だった後の第34代ボーロマコート王が1711年~1715年の4年間を掛けて修復、改修したという記録が残っており、その完成を祝うために7日間、お祭りが開催されたといわれています。
残念ながら、他の遺跡同様に1767年のビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻によって、破壊されています。
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」の見どころは?
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」は東側に正門があり、修道院、スリランカ様式のメインパゴタ、仏像の礼拝堂の3つの建築物が一列に並んでおり、これは昔、隣を流れていた運河に沿った形で作られたことに由来しますが、とにかく建築物が大きく見応えがあります。
1:寺院東側の修道院
幹線道路から見えるのが、この東側の修道院で、内部には高く立派な柱が残っており、荘厳な感じで非常に見応えがあります。また建物の西側には、破壊された仏像と祭壇の跡、階段状になったお堀があり、ここには寺院が世俗的なものと隔離された神聖な場所という意味を持つ「LUK NIMIT」と呼ばれる境界石が飾られていたと考えれています。
修道院の外からも、内部の柱を見ることができますが、内部に入って、その大きさを実感してみて下さい。
2:スリランカ様式の崩壊したメインパゴタ
アユタヤの遺跡にあるメインパゴタは、クメール様式やスコータイ様式のものが多いのですが、「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」のメインパゴタは「スリランカ様式」となっており、アユタヤの遺跡群では珍しい形状をしています。
このメインパゴタは頂上部分が崩落していますが、その残骸がすぐ横に落ちており、どれだけ大きいのかを実感させてくれます。
土台の基礎部分がクメール様式のように角張っていますが、その上には美しい釣鐘型の仏塔が建っている複合型のような形状が特徴です。これは、ボーロマコート王がスリランカへ仏教の普及を行ったことが関係しているのかも知れません。
3:西側の礼拝堂
スリランカ様式のメインパゴタの西側には、こちらも大きな礼拝堂跡が残っており、壁が倒れそうな感じに傾いていますが、礼拝堂の内部は意外に、しっかりとした作りになっています。
礼拝堂の内部には、ビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻で徹底的に破壊された仏像と白い仏像が安置されており、数人の参拝者の方が祈りを捧げていました。
4:境内のチェーディー(仏塔)
寺院の境内には、幾つか復元されたチェーディー(仏塔)が幾つか残っており、特にメインパゴタを囲むような感じで配置されています。
5:境内の菩提樹
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」の境内には、大きく育った菩提樹が幾つかあり、長い悠久の歴史を感じることができます。また西側の礼拝堂奥には、布を巻き付けられたご神木が鎮座しており、多くの方が参拝しているようでした。
5:Tamnak Kammalian
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」の壁の外には「Tamnak Kammalian(タムナック カンマリアン)」と呼ばれる、2階建ての礼拝堂があります。窓は全てがアーチ型に作られていて、イスラム教の影響を受けているといわれています。
案内板の横に階段がありますので、これを登ると2階部分の吹き抜けになり、内部を見渡すことができます。
またこちらにも菩提樹が壁面を浸食して育っており、見所の一つになっています。
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」に行くには?
「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」はアユタヤ旧市街の島の外にあり、トゥクトゥクかレンタルサイクル、レンタルバイクで行くことができます。
トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅からトゥクトゥクを利用する場合には、料金的には片道100~150バーツほどになり、近くには「アヨタヤフローティングマーケット」や「ワットマヘーヨン」などもありますので、一緒に観光してみても良いかも知れません。
レンタルサイクルを利用する場合
国鉄アユタヤ駅前でレンタルサイクルを1日50バーツで借りて行く場合、距離的には約2.5kmほどで約15分ほどの道のりとなります。
国鉄アユタヤ駅から南へ進み、「クルンシーリバーホテル」の東側にある踏切を渡ります。ここから約900mほどで「チェーディーワットサムプルーム(Chedi Wat Sam Pluem)」の交差点になりますので、ここを左折し約1kmほど直進すれば左側に、「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」の「東側の修道院」が見え到着です。
寺院への入口は、もう少し進んで左側にありますので、直ぐに分かると思います。
筆者おすすめのクイッティアオの美味しいお店「Naiyoung Thai Noodle」も、直ぐ近くにありますので、是非、足を延ばしてみて下さい。
名称 | ワット クディーダオ |
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名称(英) | Wat Kudee Dao |
営業時間 | 08:00〜17:00 |
住所 | 19 Pratuchai, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
その他、豆知識
タイの運転ルール
アユタヤに観光へ来られる際に、日本で「国際免許」を取得しているとレンタカーやレンタルバイクを簡単に借りることが可能で、移動手段の自由度が広がり色々な場所を見て廻ることができます。
タイは左側通行、右ハンドルとなっていて日本の運転環境と同じなので、違和感なく運転することができると思います。
ただ運転する際に、タイの場合、規制がない限り常時、左折可能となっており日本の交通ルールと大きく異なる点になります。日本の感覚で信号を待っていると容赦なくクラクションを鳴らされますので、「常時左折が出来る」ということを覚えておいて下さい。
また場所によっては常時、右折可能な場合もありますが、これは特殊な場合なので、右折については日本と交通ルールは同じとなります。
まとめ
アユタヤ旧市街の外にある「ワット クディーダオ(Wat Kudee Dao)」をご紹介しました。この寺院遺跡の前の道は、何度も通って「Naiyoung Thai Noodle」に通っていましたが、こんなに大きな遺跡とは訪れるまで知りませんでした。
倒壊したチェーディー(仏塔)や東側の修道院の柱など、他の遺跡にはないスケールの大きさを感じることができますので、是非、足を運んでみて下さい。
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