ご紹介する「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」はアユタヤ旧市街の島の中、南東部に位置する住宅街の中にあり、埋もれてしまった礼拝堂と崩壊したチェーディー(仏塔)が残る小さな仏教寺院遺跡です。
完全に住宅街に囲まれており、こんな路地の奥に遺跡があるとは思わないような場所にあり、観光客はまず知らない場所です。
今回は「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」をご紹介します。
「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」とは?
アユタヤ旧市街の島内、南東部の住宅街の中にある埋もれた礼拝堂跡と崩壊したチェーディー(仏塔)が残るだけの小さな仏教寺院遺跡です。
遺跡の崩壊も酷く、しっかりとした遺跡調査も行われていないため、正確な建立時期や理由などは、他の遺跡同様、分かっていませんが、アユタヤ王朝後期の1726年頃には、近隣に中国人商人の住宅街があり、寺院前を通る道路は立派なレンガで作られていたとの記述が残っており、この頃に「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」も建立されたと考えられています。
現状の遺跡調査でもチェーディー(仏塔)の基礎部分の特徴から、アユタヤ王朝後期に建立されたことが分かっており、僅かに残る資料とも一致しています。
「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」の見どころは?
1:崩壊したメインチェーディー(仏塔)
唯一の建築物とした残っているメインチェーディー(仏塔)は、外装部分のレンガは無くなっており、基礎部分周辺をワイヤーで固定することで辛うじて建っているという状態で、見ていて痛々しいほどです。
チェーディー(仏塔)の北側上部には、少しだけ漆喰のレリーフの跡が残っており、当時の名残を見ることができます。
2011年にタイ全土を見舞った未曽有の大洪水で、このチェーディー(仏塔)も被災し、内部のレンガが流出したことが確認されています。
残念ながら、これ以上の保全が進まなければ倒壊してしまうのではないかと思います。
2:礼拝堂跡と住居跡
メインチェーディー(仏塔)の東側には、小高い丘になって未だに発掘されていない礼拝堂があり、周辺には寺院の住居だったのかレンガの基礎が残っています。
また破壊された仏像の一部が残されていますが、数が少な過ぎるため、また発掘されていない土の下には、もっと多くの遺物が残されていると思います。
「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」の雰囲気は?
字幕表示を「オン」にすると遺跡の簡単な説明が表示されます。
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「タイ猫Yuwiのアユタヤ観光案内」の動画は「GoPro Hero7 Black」で撮影しています。
「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」への行き方
「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」はアユタヤ旧市街の島内、南東部の住宅街の中に位置し、トゥクトゥクかレンタルサイクル、バイクで気軽に行くことができます。
周辺は住宅街で、遺跡は路地の奥にありますが近隣にはホテルやアパートなどもあり、日中は安全に見学することができます。筆者が訪れた時は、逆に不審者に間違われて近隣住宅の方が出てきたくらいです。
トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅からであれば片道100バーツで行くことができますが、近隣には「ポンペット要塞」や「サイトーンレストラン」などもありますので4時間800バーツほどで貸切って世界遺産の主要遺跡を巡った途中に寄るといった感じがベストです。
レンタルサイクル、バイクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅側から渡し舟で旧市街に入り、「December House」でレンタルサイクルかバイクを借りて行く場合、アユタヤ島の周回道路である「Uthong Rd(ウートンロード)」を南側へ道なりに約2.0kmほど進むと、左側に「ポンペット要塞」がありますので、ここを過ぎて約200mほどすると右側に小さなクイッティアオのお店がありますので、この交差点を右折します。
約50mほどで右側に小さな路地がありますので、ここを右折して100mほど直進すると到着です。
名称 | ワットタノンジン |
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名称(英) | Wat Thanom Jin |
営業時間 | なし |
拝観料 | なし |
住所 | Tha Wa Su Kri, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
まとめ
アユタヤ旧市街の島内、南東部の住宅街の中に位置する「ワットタノンジン(Wat Thanom Jin)」をご紹介しました。崩壊したメインチェーディー(仏塔)が痛々しい姿を残す仏教寺院遺跡ですが、アユタヤ王朝当時には中国人の商人街があり、他の地域にはないレンガ道などがあったらしく、由緒ある寺院だったということが分かります。
細い路地を進んだ先にあり、観光客の方は遺跡があること自体知らないと思いますので、近くに寄ったときには、是非、足を延ばしてみて下さい。
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