ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)/ 盗掘被害が痛々しいチェーディー(仏塔)があるアユタヤ王朝中期から続く由緒ある仏教寺院

ご紹介する「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」はアユタヤ旧市街の島の外、北側に位置し、現在も多くのお坊さんが修行をされている現存寺院で、現代風のお寺部分とアユタヤ王朝時代から続く古い礼拝堂やチェーディー(仏塔)などが混在する場所でもあります。

アユタヤ王朝中期から後期の年代記にも、その名称が出てくる由緒ある仏教寺院です。

今回は「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」をご紹介します。
  
    

「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」とは?

   

    
アユタヤ旧市街の島の外、北側に位置し、現代風の寺院部分とアユタヤ王朝から続く礼拝堂など新旧混合した仏教寺院で、現在でも多くのお坊さんたちが修行をされている場所でもあります。
    
寺院の敷地は幹線道路によって分断されており、近代的な建築物の寺院側とアユタヤ王朝時代から続く旧寺院側に分かれており、古い礼拝堂側にはスリランカ様式のチェーディー(仏塔)3基と多角形型の小さなチェーディー(仏塔)2基があります。
   
現役の仏教寺院なだけあり、筆者が訪れた際には「出家式」が行われていて、多くの関係者で賑わっていました。
   
スリランカ様式のチェーディー(仏塔)などからアユタヤ王朝初期から中期に建立されたと考えられており、アユタヤ王朝年代記にも、アユタヤ王朝第20代「マハータンマラーチャーティラート王」の時代に起こったカンボジアとの戦争において、以前にご紹介した「ワットクティートーン」と共に、その名称がでてきます。

1570年に起きた戦争において、戦象30頭を率いた大規模なカンボジア軍が、この「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」から「ワットクティートーン」までの地域に駐留した際、アユタヤ軍からの砲撃を受けて指揮官を失ってしまい、撤退したとの記述が残っています。

    
   

「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」の見どころは?

1:道路沿いの2連チェーディー(仏塔)

寺院の敷地内を走る道路沿いに2連のチェーディー(仏塔)があり、アユタヤ王朝後期によく見られる多角形型をしています。完全な形状ではありませんが、頂上に近い部分には蓮の花の模様がはっきりと確認することができます。
   

2:礼拝堂


   

   

   
礼拝堂の建物自体は比較的、新しいため、途中で修復、再建されたものだと思います。中には黄金の仏像が安置してあり、壁には古文書のようなものが掲示してあったりと、現存寺院らしく近隣の方の信仰の対象になっているのが分かります。
    

3:3連チェーディー(仏塔)


  

   

   

  

   

   

  

   
礼拝堂の西側には、スリランカ様式の3基の大きさが異なるチェーディー(仏塔)が配置されていますが、全てのチェーディー(仏塔)が盗掘被害にあっており、見ていて痛々しいほどです。
   
アユタヤ遺跡の中で「盗掘被害」にあっているものは沢山あり、その痕跡が残っているのは「ワットプラッパーチャイ」「ワットチュンター」などが挙げられますが、筆者の知る限り、この「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」が最も酷い盗掘をされているのではないかと思います。
  
タイ人は敬虔な仏教徒ですが、このような盗みを常に働く人がいるのも残念です。
   
  

「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」の雰囲気は?

  

  
出家式をやっていましたので、雰囲気が分かると思います。
   
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「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」への行き方

  

「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」はアユタヤ旧市街の島外、北側にありますが、遺跡の中心地からも近いため、トゥクトゥクかレンタルサイクルを利用して行くことができます。
  

1:トゥクトゥクを利用する場合

国鉄アユタヤ駅からであれば、片道150バーツで行くことができますが、周辺には「ワットスワンナーワ」「ワットポー」などがあり、3時間600バーツで貸切った方がお得に遺跡を回ることができます。
  

2:レンタルサイクルを利用する場合

国鉄アユタヤ駅側から渡し舟を利用して、旧市街へ渡り、「December House」で1日50バーツでレンタルサイクルを借り、「Ho Rattachanai Rd」を西に真っすぐ進み、「ワットマハタート」を目指します。「ワットマハタート」手前の交差点を右折し、そのまま道なりに約500m直進すると左側に「ワットスワンナーワ」があり、その先の信号のある交差点を直進すると、小さな運河に掛かる橋を渡ると左側に寺院が見え到着です。

「December House」から約15~20分で到着することができます。


  
   

名称 ワットウォンコーン
名称(英) WaWat Wong Khong
名称(タイ語) วัดวงษ์ฆ้อง
営業時間 08:00~17:00
拝観料 なし
住所 4 Uthong Rd, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000

   
   

その他、豆知識

出家式とは?

  

  
今回、「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」に訪問した際、2人の男子が「出家式」をしていましたので、少しだけ記載しておきます。
   
タイの男性は一生に一度、「両親への感謝と、特に出家できない女性である母親に徳を積ませる」ために短期間ですが、出家をすることが伝統となっています。この母親に徳を積ませるためというのは、諸説あるようですが自分を生んでくれた母親へのタンブンという意味が大きいようです。
  
お坊さんになる前に、盛大にお祝いをしてから送り出されますので、もし機会があれば出家式を見てみるのも面白いと思います。
   
タイのお坊さんは、戒律で女性に触れることを禁止されていますので、アユタヤ観光中に見掛けても女性の方は触れないように注意して下さい。
   
  

まとめ

アユタヤ旧市街の島外、北側に位置する「ワットウォンコーン(Wat Wong Khong・วัดวงษ์ฆ้อง)」をご紹介しました。

会社の同僚が直ぐ近くに住んでおり、時々、行くことがありましたが現存寺院なため、参拝者が多く、いつも賑わっているというイメージがあるだけでしたが、調べてみるとアユタヤ王朝中期には建立されていたと知って改めて、いつも見ている遺跡や寺院が歴史のあるものなのだと再認識した寺院でした。

北側の遺跡でも中央部に近いため、行き易いと思いますので、この機会に足を延ばしてみては如何でしょうか。
   



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