アユタヤには大きな病院が2つあり、以前、ご紹介した「ラチャタニーホスピタル」と旧市街の西側にある「県立アユタヤ病院」です。この「県立アユタヤ病院」の中にはは、アユタヤ王朝時代に作られた仏教寺院遺跡「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」があります。
幹線道路沿いになりますが樹々が多い茂っており、外側からは遺跡が見え難いため、外国人観光客の方は、その存在を知らないと思います。
今回は県立アユタヤ病院内にある「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」をご紹介します。
「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」とは?
アユタヤ旧市街の西側、チャオプラヤー川沿いを走る「Uthong Rd」沿いに建つ「県立アユタヤ病院」の敷地内にある仏教寺院遺跡で、大きなメインチェーディー(仏塔)と少し小さなチェーディー(仏塔)の2基が連なって現存する遺跡で、礼拝堂などは残っていません。
他の遺跡同様、詳しい資料が失われており、正確な建立時期や理由などは分かっていませんが、残っているメインチェーディー(仏塔)などの建築的特徴からアユタヤ王朝初期から中期にかけて建立されたと考えられています。
付近にはアユタヤ王朝時代には、王宮から南側に抜けるメイン幹線道路があったとされ、その沿線に沿って建立されていたことから、何らかの重要な寺院だったのではないかともいわれています。
後ほど、「その他、豆知識」で、ご紹介しますが面白い都市伝説も残っている場所でもあります。
「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」の見どころは?
1:メインチェーディー(仏塔)
四角く大きな基礎の上に、八角形をした2段目の基礎があり、その上に釣り鐘型の本体がのる形状をしており、先端部分は崩落してありませんが5階建ての病院の4階ほどの高さを誇る、非常に立派なメインチェーディー(仏塔)です。
残念ながら頂上部分は崩落しており、アユタヤ王朝当時の美しい姿を見ることはできませんが、当時としても大きなメインチェーディー(仏塔)だったことは間違いありません。
基礎部分には、病院に入院している方なのか、その関係者なのかは分かりませんが、お参りをされている方が闘鶏の像などをタンブンされています。
2:サブチェーディー(仏塔)
メインチェーディー(仏塔)の東側に連なるのが、少し小さなサブチェーディー(仏塔)で、こちらは形状が少し異なり、四角い基礎の上に釣り鐘型の本体がのるというタイプで、アユタヤ王朝初期に見られる特徴を備えています。
サブチェーディー(仏塔)は頂上部分まで綺麗に残っていますが、漆喰のレリーフによる装飾などは残っておらず、少し寂しい感じがします。
筆者が訪れた際、頂上部分にはシロサギがとまって休んでいました。
「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」の雰囲気は?
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「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」への行き方
アユタヤ旧市街の中心部である「ワットプラシーサンペット」から約1.5kmほど離れた、島内の西側にあり、トゥクトゥクやレンタルサイクルでも気軽に訪れることができます。
1:トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から「県立アユタヤ病院」までは片道100バーツで行くことができますが、旧市街の島内ということもあり、「ワットプラシーサンペット」などの世界遺産「古都アユタヤ」の主要遺跡をはじめ、「アユタヤエレファントキャンプ」や西側の遺跡群も回れるため、4時間800バーツほどで貸切った方がお得です。
2:レンタルサイクルを利用する場合
国鉄アユタヤ駅側から渡し舟を使ってパーサック川を渡り、「December House」で1日50バーツでママチャリをレンタルします。最も簡単な道順は「December House」の路地をでて直ぐの「Uthong Rd(ウートンロード)」を左折して、そのまま道なりに約3.6kmほど直進すると右側に「県立アユタヤ病院」が見え、到着です。
「December House」から約3.6km、時間にして約25分ほどの道のりとなります。
名称 | ワットプラサート |
---|---|
名称(英) | Wat Prasat |
名称(タイ語) | วัดปราศาท |
営業時間 | なし・病院内のため、夜間はガードマンに止められる可能性があります |
拝観料 | なし |
住所 | หมู่ที่ 4 46/1 Uthong Rd, Tambon Pratuchai, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
その他、豆知識
アユタヤ病院の遺跡にまつわる都市伝説
「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」のある「県立アユタヤ病院」の西側にある職員用駐車場(遺跡の反対側)には、レンガで囲まれ井戸のような感じの大きな貯水池?があります。
「この貯水池の底にはチャオプラヤー川の下を通り、対岸に続く地下通路が隠されている」という都市伝説が残っており、今でも本当のことだと信じている人が多くいるようです。
アユタヤ王朝当時、王族が都市陥落の場合に、この地下通路を通り、対岸にある「ワットプッタイサワン」へ逃げるために作られたといわれています。
実際に調査が行われたという記録は残っていないようですが、1767年の王都陥落の際、第35代「スリヤートアマリン王」がビルマ軍に包囲されたアユタヤ旧市街から単独で、バーンパイン近くまで逃げていることもあり、その際に使われたのではないかという話も一部ではあるようです。
日本でも江戸城などに隠し通路があったというような話がありますが、世界、何処にでも同じような話があるのは、筆者個人的には面白いと思います。
まとめ
アユタヤ旧市街の島内、西側にある「県立アユタヤ病院」の中にある「ワットプラサート(วัดปราศาท・Wat Prasat)」をご紹介しました。
正直、筆者も病院内に遺跡があるとは全く知らず、つい最近、たまたま病院にお見舞いに行った際に気が付いて調べたという仏教寺院遺跡です。
入院している患者さんが散策できるように、周辺には遊歩道や休憩ができるベンチなどもありますので、西側のアユタヤ遺跡を回る際には、足を延ばしてみて下さい。
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