ワットチャオヤー / 4連チェーディー(仏塔)など見所の多い、アユタヤ王朝初期に建立された仏教寺院遺跡


  
「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」はアユタヤ旧市街の島の外、「ワットパッンガーム」などの北側にある遺跡群の中のひとつです。幹線道路沿いにあり、簡単に見つけることができる遺跡で、駐車場もあるのでゆっくりと散策することができ、おすすめです。
 
敷地内に幹線道が通っており2ヵ所に分断されていますが、大きな4連チェーディー(仏塔)や2階建てのセレモニーホール跡、破壊された仏像を安置した礼拝堂跡など見所の多い場所でもあります。
 
今回は「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」をご紹介します。
     

「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」とは?

  

   
アユタヤ旧市街の北側、島の外に位置する「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」は、「ワットパッンガーム」「ワットタッカイ」などの遺跡群の中の一つで、チェーディー(仏塔)や礼拝堂、道路を挟んで2階建てのセレモニーホールなど、多くの遺跡が残されています。  
   
広大な敷地と多くの遺跡を持つ「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」ですが、建立された時期や理由は分かっていませんが、遺跡の学術調査を行った結果、建物の特徴からアユタヤ王朝の初期に建てられたと考えられています。
  
奇跡の寺院と呼ばれる「ワットナープラメン」からの幹線道路沿いにありますので、簡単にたどり着くことができる遺跡でもあります。
 
 

「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」の見どころは?

2階建てのセレモニーホール

   

   

   

    

    
こちらの2階建てのセレモニーホールは、ぱっと見ると1階建ての建物に見えますが、配置された階段を登ると2階のテラス部分になり、内部を見渡すことができます。幅10m、長さ30mと大きな建物で、長手方向の横にアーチ型の小さな入口が2ヵ所あり、お坊さんの説教を行っていた場所と考えられています。
 
セレモニーホールの内部に入ってみましたが、地元の方がタンブンで寄贈されたお坊さんと仏像が西側の壁際に置いてあるだけで、特に何もないのが逆に意外でした。
   

鐘楼(しょうろう)

   

   

   
寺院の西側の一番端には「鐘楼(しょうろう)」があり、クメール様式に似たトウモロコシのような独特な形状をしています。
    

   

  
またかなりしっかりと見ないと分からないのですが、鐘楼(しょうろう)の頂上部分には、陶器の破片を埋め込んだ装飾が施してあり、アユタヤ王朝時代には美しい姿をしていたことが想像できます。
   
鐘楼(しょうろう)にはテラスがあり、階段で登ることもできます。
 

チェーディー(仏塔)

   

   

   

    

   

   
「ワットチャオヤー」のチェーディー(仏塔)は、「Tの字」に作られた同じ基礎の上に4つの仏塔が配置された形状をしており、他の寺院遺跡には余り見られない特徴が見られます。

通常、チェーディー(仏塔)は1つの基礎に、1つの仏塔という風に作られていますが、T字の交点部分に建つチェーディーがメインとなり、その左右と後部分(西南北)の3方向に少し小さなチェーディーが配置されています。

遺跡の学術調査で、チェーディー(仏塔)の特徴から「ワットプラシーサンペット」と同時期、アユタヤ王朝第11代「ラーマーティボーディー2世」の統治時代(1491~1529年)に作られたのではないかと考えられています。

礼拝堂跡と破壊された仏像

  

   

   

   

    
チェーディー(仏塔)の東側に仏像を安置していた礼拝堂跡があり、1767年のビルマ(現在のミャンマー)による軍事侵攻によって破壊された仏像が安置されています。
   

   

   
この礼拝堂跡には2つの面白い特徴があり、一つは礼拝堂の中がテラスのような回廊構造になっていて、仏像を安置している本堂の周辺を廻ることができるようになっています。
  

   

   

   
二つ目は外壁部分のテラスの柵にレンガを✕印になるように作られていることで、このような構造をしている仏教寺院遺跡は殆ど見ることがないと思います。

  
礼拝堂の西側の祭壇に、破壊された仏像の胴体部分が安置されており、仏衣のレリーフを見ることができます。
  

補助チェーディー(仏塔)

   

   

   

    
寺院の東側には「補助チェーディー(仏塔)」が3基建てられており、中心のチェーディーは八角形の基礎が残っているだけで頂上部分はなく、左右にあるチェーディー(仏塔)は釣り鐘型のスリランカ様式となっています。
   
倒壊した頂上部分がないか、チェーディー(仏塔)の裏に行ってみましたが、残念ながら何もありませんでした。
  

菩提樹

  

  
補助チェーディー(仏塔)と礼拝堂跡の間に大きな菩提樹があり、オレンジの袈裟が巻いてありましたので、「ワットチャオヤー」の東側のご神木になっているようです。
  

   

  
先にご紹介した2階建てのセレモニーホールの横にも同じように袈裟が巻いてある菩提樹があり、こちらは西側のご神木のようです。
  
どちらも立派な菩提樹で、一見の価値はあります。
  

瞑想ホール

     

  

  
筆者も色々と遺跡巡りをしていますが、この「瞑想ホール」は初めて見ました。設置してある案内板を読むまでは、何か分からずにサイロ(穀物倉庫)なのかなぁと思いながら写真を撮っていました。
  
遺跡の敷地内ではなく、30mほど離れた場所にあり、内部に入れるアーチ状の入口が東西に1ヵ所ずつあります。
  
  

「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」の雰囲気は?

    

  
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「タイ猫Yuwiのアユタヤ観光案内」の動画は「GoPro Hero7 Black」で撮影しています。
  
    

「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」に行くには?

  

   
国鉄アユタヤ駅から行く場合には、トゥクトゥクかレンタルサイクル、バイクで簡単に行くことができますが、途中交通量の多い島の周回道路である「Uthong Rd(ウートンロード)」を通りますので出来ればトゥクトゥクを利用されることをおすすめします。
   

トゥクトゥクを利用する場合

国鉄アユタヤ駅からトゥクトゥクを利用する場合、「ワットチャオヤー」から1kmほど離れた場所に「ワットナープラメン」があり、片道100バーツで行くことができますので、少し上乗せをして150バーツほど支払いをすれば、連れて行ってくれると思います。
   
明日以降、記事をアップする予定ですが、周辺には穴場スポット的な大きな仏教寺院遺跡がありますので、トゥクトゥクの運転手と交渉して、1時間200バーツほどで2~3時間ほど貸切って、そちらも一緒に廻ってみることをおすすめします。
  
国鉄アユタヤ駅から約20分ほどで到着できます。
  

レンタルサイクルを利用する場合

国鉄アユタヤ駅から渡し船を使って旧市街に渡ってからレンタルサイクルを借り、そのまま約1.5kmほど直進すると「ワット マハタート」へ到着しますので、ここから右折しアユタヤ旧市街の周回道路である「Uthong Rd(ウートンロード)」を目指します。
  
「Uthong Rd(ウートンロード)」に突き当たれば、左折して約1.0kmほど進むと右側に小さな橋が見え、ここを渡ってアユタヤ旧市街の島の外へ出ます。
   
橋を渡って、そのまま道なりに約1kmほど直進すると道路の左右に「ワットチャオヤー」の遺跡が見えますので、少し進んで左折すると駐車場があり、そこに入れば到着です。
 
   

    

まとめ

 

  
アユタヤ旧市街の島の外、北側にある遺跡群の一つ「ワットチャオヤー(Wat Chao Ya)」をご紹介しました。以前から、ここに遺跡があったのは知っていたのですが草が多い茂って、入るのを躊躇するような環境だったため、詳しく見ることがありませんでしたが、思った以上に見所の多いのにびっくりしました。
 
北側の遺跡群はイメージ的に他の地区の遺跡よりも、敷地の広いものが多く、見応えがありますので、この機会に是非、足を運んでみて下さい。
   
    



 


  
     

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