「ワットケット(Wat Ket)」はアユタヤ旧市街の中央部にあり、メインチェーディー(仏塔)と礼拝堂だけの小さな寺院遺跡ですが、「アユタヤエレファントキャンプ」の真横にあり、エレファントライドの途中で、ご覧になった方もいらっしゃると思います。
メインチェーディー(仏塔)のピラミッドのような形状は、アユタヤ旧市街では、この「ワットケット(Wat Ket)」でしか見ることのできないものです。
今回は「ワットケット(Wat Ket)」をご紹介します。
「ワットケット(Wat Ket)」とは?
アユタヤ旧市街の西側に位置し、真横には「アユタヤエレファントキャンプ」、数百メートルの場所には「ワットプララーム」や「ワットプラシーサンペット」、「ヴィハーンプラモンコンビット」などの世界遺産「古都アユタヤ」を構成する遺跡の近くにあります。
他の遺跡同様、詳しい資料が残されておらず、建立時期や理由などは分かっていません。
ただアユタヤ王朝時代、「ワットケット」の直ぐ近くに刑務所があったとされ、極刑となる受刑者が最後の祈りを捧げる寺院だったともいわれています。
「ワットケット」で受刑者が最後の祈りを行う際に、バラモン教の司祭が裁判を執り行ったという伝承も残っています。
※現在のタイでも工場を新設した際に敷地内に「祠」を建てますが、入魂式にはバラモン教の司祭が呼ばれ、祈りを捧げてもうらう習慣があります。
寺院の正面は東側を向いており、礼拝堂、様式の分からないピラミッド型のメインチェーディー(仏塔)の順で配置されていて、建物の周辺には破壊されて土台だけになったチェーディー(仏塔)が数基あるのが分かります。
「ワットケット(Wat Ket)」の見どころは?
1:巨大な基礎
寺院の正面である東側から見るとよく分かるのですが、配置されている礼拝堂をはじめ、メインチェーディー(仏塔)を含め、一つの巨大な基礎の上に建てられています。
礼拝堂へ辿り着くには、3つの階段を登って行く必要があるほど大きく作られています。
2:礼拝堂と破壊された仏像
礼拝堂に上がると、内部には建物の柱を支えていた四角い基礎が並んでおり、一番奥側の一段高い祭壇には所狭しと破壊された仏像が数多く安置されています。
また礼拝堂の壁部分にあたる部分の基礎の上にも、同様に破壊された仏像の一部が安置されており、この小さな寺院遺跡に、これだけ数多くの仏像が安置されているは不思議な感じがしますが、処刑前の囚人の家族によるタンブンなどがあったのかも知れません。
3:メインチェーディー(仏塔)
寺院の最も西側に位置するのが、メインチェーディー(仏塔)となりますが、非常に珍しい形状をしており、筆者が回っているアユタヤ遺跡群の中でも、このピラミッドのような形状をしたものは、この「ワットケット」でしか見たことがありません。
アユタヤ後期に見られる多角形型とトウモロコシのようなクメール様式、スリランカ様式の3つが複合した不思議な形状をしており、通常の仏教寺院遺跡ではないということが分かります。
正確な文献が残っていないのが、非常に残念だと思いました。
「ワットケット(Wat Ket)」の雰囲気は?
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※「タイ猫Yuwiのアユタヤ観光案内」の動画は「GoPro Hero7 Black」で撮影しています。
「ワットケット(Wat Ket)」への行き方
「ワットケット(Wat Ket)」は、国鉄アユタヤ駅からであれば、トゥクトゥクやレンタルサイクルで気軽に行くことができます。
トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から片道100バーツで行くことができますが、「ワットケット(Wat Ket)」の隣には「アユタヤエレファントキャンプ」があり、周辺には世界遺産「古都アユタヤ」の構成遺跡である「ワットプララーム」や「ワットプラシーサンペット」などがありますので、3時間600バーツほどで貸切った方がお得だと思います。
レンタルサイクルを利用する場合
渡し舟を利用してアユタヤ旧市街に渡ってから「December house」で1日50バーツでレンタルサイクルを借り、アユタヤ島の周回道路である「Uthong Rd(ウートンロード)」を南に進み、3つ目の路地である「Pa Thong Rd(パトンロード)」に入れば、あとは西方向へ約2.3kmほど道なりに進めば右側に「ワットケット(Wat Ket)」が見えます。
名称 | ワットケット |
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名称(英) | Wat Ket |
営業時間 | なし |
拝観料 | なし |
住所 | Tambon Pratuchai, Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya, Chang Wat Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
その他、豆知識
自動車販売店の休日
引用:写真AC
日本ではトヨタやホンダなどの自動車販売店の休日は平日が多く、日曜祭日はオープンしているお店が殆どですが、タイの場合、日曜祭日がお休みの販売店が圧倒的に多いのが普通となっています。
下手をすると、お店によっては夕方17時に閉店するという所もあり、車の買い替えなどの場合でも、日曜日などにお休みをしていますので試乗することで出来ず、土曜日が休日の時に下見に行くことになります。
もしタイに赴任されて、自家用車を買うことがあれば、販売店の休日を確認されることをおすすめします。
まとめ
「アユタヤエレファントキャンプ」の真横にある「ワットケット(Wat Ket)」をご紹介しました。小さな遺跡ですが、ここでしか見られないピラミッド型のメインチェーディー(仏塔)がありますので、エレファントキャンプに寄った時には、是非、足を延ばしてみて下さい。
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