「ワット タンミカラート」は、「ワット マハタート」や「ワット ラチャブラナ」のある「アユタヤ歴史公園」の北側に位置する仏教寺院の遺跡で、現在もお坊さんが修行を行っている現存寺院でもあります。
寺院の裏口から「ワット マハタート」まで約900mしか離れておらず、歴史公園内をのんびりと歩いて散策しながら行くことができますので、おすすめです。
見どころが多い寺院ですが、正面入り口がアユタヤの周回道路側になるため、観光客は少なく、ゆっくりと見て回ることができます。
今回は、「ワット タンミカラート」をご紹介します。
「ワット タンミカラート(Wat Thammikarat)」とは?
寺院自体は、アユタヤ王朝以前にあったとされる「アヨーティヤー王国」の時代に建立されたといわれていますが、正確な時期は分かっていません。
アユタヤ王朝を創立した「ラーマーティボーディー1世(ウートン王) 」の時代をはじめ、さまざまな時代の建築特徴を備えており、何度も修復、改修されたことが分かります。
アユタヤ王朝後期、第34代ボーロマコート王が崩御した際に、内乱状態になるのを防いだ5人の高僧の一人が、この「ワット タンミカラート」の「プラタンマコードム(Phra Thamma Khodom)」といわれており、アユタヤ王朝の歴史書にも記されているそうです。
残念ながら、他の遺跡を同じように1767年のビルマ(現在のミャンマー)からの軍事侵攻を受けて遺跡となってしまいましたが、一部を修復し今の姿になっています。
現在でも仏教寺院として、お坊さんが修行をされていますが、獅子で囲まれたチェーディー(仏塔)をはじめ、涅槃像や白い仏陀、闘鶏の置物など見どころの多いお寺でもあります。
「ワット タンミカラート(Wat Thammikarat)」の見どころは?
1:獅子に囲まれたチェーディー(仏塔)
チェーディー(仏塔)の周りを獅子(シン)がグルっと囲んでおり、この獅子像はクメール様式の特徴を備えており、アユタヤ王朝初期に作られたのではないかといわれています。またアユタヤ遺跡の中でも獅子の像があるのは、この「ワット タンミカラート」だけとなりますので、非常に貴重な文化遺産でもあります。
2:礼拝堂の遺跡
獅子に囲まれたチェーディー(仏塔)の向かい側には、破壊された礼拝堂があり、内部には大きく立派な柱が残されています。礼拝堂正面と中には仏像を安置してあり、敬虔なタイの方がお祈りをされています。
3:現寺院の礼拝堂
先にご紹介した礼拝堂の遺跡の横には、現寺院の礼拝堂があります。内部には白い仏陀像が安置されており、お坊さんが参拝者のタンブンに対応するため、常駐されています。
この礼拝堂、天井と壁の立ち上がり部分に大きな隙間があるので、恐らくですが遺跡を改修し、屋根をつけて使われているのだと思います。
また「ワット タンミカラート」の仏像の後ろには、ナーガを配置しているものが沢山あり、他の寺院の仏像とは少し異なります。
筆者が妻と訪れた際、100バーツをタンブンし、お祈りをして頂いた後、ミサンガとお守りを頂きました。
「写真を撮らせて下さい」と一言お願いすると、快く写真を撮らせて頂けました。
4:闘鶏の礼拝堂
礼拝堂の反対側には、大小さまざまな「闘鶏の像」を安置してある礼拝堂跡があります。またその後ろ側には、破壊されて原型を留めていない仏像もありますので、見てみては如何でしょう。
タイの方は「闘鶏(ガイ チョン)」の像を寺院にタンブン(寄進)することが多々あり、これはビルマからの独立を勝ち取り、古式ムエタイを創始したとされる「ナレースワン王」が闘鶏を好んだという言い伝えからきていると妻は言っていました。
5:涅槃像
北側にある礼拝堂の中には金色の涅槃像があり、多くの方が参拝されています。礼拝堂の入口から覗くだけでは、礼拝堂の柱で涅槃像を見ることはできませんので、中に入ってお参りをしてみることをおすすめします。
少し薄暗い礼拝堂の一番奥に行くと、涅槃像のお顔を拝見することができます。
6:青銅製の仏像の頭部
涅槃像のある礼拝堂の正面奥には、大きな青銅製の仏像の頭部のレプリカが置かれており、本物は「アユタヤ エレファントキャンプ」や「ワット プララーム」の直ぐ近くにある「チャオ・サーム・プラヤー国立博物館」に安置されています。
この頭部だけの仏像は「ワット タンミカラート」から出土したもので、この仏像の前で嘘をつくと死んでしまうという言い伝えがあり、昔は喧嘩などの言い争いのときの仲裁などにも使われたといった都市伝説のような、お話しも残っています。
「ワット タンミカラート(Wat Thammikarat)」に行くには?
「ワット タンミカラート」はアユタヤ歴史公園の北側に位置しており、本当の正面入口は、アユタヤ島の周回道路である「Uthong Road(ウートンロード)」側にありますので、トゥクトゥクを利用することになります。
ただ寺院の裏口は、アユタヤの代名詞ともいえる「ワット マハタート」から700mほどしか離れておらず、さらに常に開放されていますので、気軽に歩いて行くこともできます。
筆者が訪れるときは、裏口から入って駐車場に車を停めて行くことが殆どです。
国鉄アユタヤ駅から行く場合
アユタヤ駅から遺跡群へ行く場合と旧市街への渡し船の利用方法など、2019年01月13日に情報確認のために行って来ましたので、これが最新情報となります。
渡し船の利用方法なども、記事でアップしますのでアユタヤ観光の参考にして下さい。
1:トゥクトゥクを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から、トゥクトゥクで80~100バーツで行くことができます。料金表には記載されていませんが「ワット タンミカラート」よりも遠い場所である「ワット・ローカヤスターラーム(Wat Lokayasutharam)」が100バーツなので行けると思います。
2:レンタルサイクルを利用する場合
国鉄アユタヤ駅から、向かい側の路地を進むと旧市街へ片道5バーツで渡し船が出ていますので、アユタヤ旧市街に入ってから、路地に出るとレンタルサイクル屋さんがあり50バーツで借りることができます。
路地を出ると、アユタヤ旧市街を周回する「Uthong Road(ウートンロード)」なので、これを渡り、そのまま1.2kmほど直進すると「ワット マハタート」の目の前に出ます。
これを右折し、直ぐの信号を左折して約700mほどで、右側に「ワット タンミカラート」の裏口がありますので到着となります。
名称 | ワット タンミカラート |
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名称(英) | Wat Thammikarat |
時間 | 8:00〜17:00 |
料金 | 無料 |
住所 | Tha Wa Su Kri, Phra Nakhon Si Ayutthaya Amphoe Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000 |
その他、豆知識
レンタルサイクルは旧市街で借りると楽チン
アユタヤ駅前には沢山のバックパッカーの宿があり、多くのレンタルサイクルが貸し出されており、アユタヤ駅前から「ワット ヤイチャイモンコン」や「ワット・パナンチューン(Wat Panan Choen)」などに行く場合には最適ですが、パーサック川を超えてアユタヤ旧市街に行く場合には、交通量の多い幹線道路を走る必要があり、非常に危険なので渡し船で旧市街に渡ってから借りることをおすすめします。
アユタヤ観光での服装
アユタヤ観光へ来られるとき、1月や2月の乾季であれば朝晩は比較的涼しいので、薄手の長袖シャツなどを持参された方が、夜に市場などに行く際にも日焼け対策としても便利だと思います。
また寺院観光をする際に、特に女性の方はノーズリーブや丈の短いパンツなど、肌の露出の多い服装で行くことは、タイの伝統的に余りよろしくないと思われていますので極力、避けて下さい。
どうしても服がないという時には、寺院でパレオを借りることもできますが、タイのお坊さんは、出家している間、女性に触れることは禁忌とされていますので、無用なトラブルを避けるためにも長袖の着用をおすすめします。
まとめ
ご紹介した「ワット タンミカラート」は、世界遺産に登録されている寺院の中でも、余りガイドブックにも掲載されていない穴場的な観光スポットで、観光客も少ないので、ゆっくりと見て回ることが出来ます。
アユタヤの代名詞でもある「ワット マハタート」の直ぐ近くなので、是非、足を延ばしてみて下さい。
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